まず、シンガポールのインターナショナルスクールに通っていたM.Sさんから、海外経験について教えてください。インターナショナルスクールでの生活や勉強にはすぐに慣れましたか?
M.S とにかく毎日が必死だったので断片的にしか覚えていませんが、入学後1週間は全く英語がわからず、通じないことがわかっていながら現地のクラスメイトに日本語で話しかけてみたり・・・とにかく必死でした。家に帰ると毎日のように母に泣きついていましたが、2ヶ月目ぐらいで少し話せるようになりました。1年間だけですが、ESLでの別カリキュラムで勉強していました。
初めの頃は毎日不安だったのですね。
M.S はい、それでも少しずつ学校にも慣れてきて、色々なプロジェクトにも興味を持って積極的に参加することができました。勉強だけでなく、ゴルフやネットボールなどのクラブにも参加していました。ネットボールでは学校の代表にもなったこともあります。
日本語の勉強はどうしていましたか。
M.S 土曜日に補習校に通って作文や漢字の練習を続けていたこともあって、それほど困りませんでした。
またシンガポールで生活したいですか?
M.S そうですね。現地の食事はあまり口に合いませんでしたが、未だに連絡を取り合っている友だちもたくさんいますし、チャンスがあればまた生活したいと思っています。
この学校を選んだポイントは何でしたか?
M.S 帰国する1ヶ月前ぐらいから受験を意識し始めて、帰国生が多い学校やアフターケアがしっかりされている学校を中心に選び、3校の学校訪問をしました。そのときに、とても雰囲気が良かったのでこの学校を選びました。
受験校を決めるときに、ご両親との間で意見の食い違いはありましたか?
M.S ほとんどありませんでした。両親が事前にいくつかの学校を選んでくれたおかげで、それほど時間をかけることなく受験校を決めることができました。
受験の準備はいつごろからどのように進めましたか?
M.S 小6の夏に帰国しましたが、その年の6月ごろから受験勉強を始めました。在籍していたインターの先生に英語エッセイを見てもらっていましたし、帰国後にはJOBAにも通い、志望校の試験対策や面接の練習もしました。受験にはとても役に立ったと思います。帰国してから受験まで数ヶ月しかなかったので、もう少し時間があればと何度も思いました。
入学前に心配だったことはありましたか。
M.S 大妻中野の帰国生対象補習で受けた国語と算数の授業が難しかったので、ついて行けるかどうか心配でしたが、先生方が優しくていねいに指導してくださるので、今では「ちゃんと見てくれている」という安心感があります。インフルエンザのために入学式に出席できなかったことが寂しかったし不安だったのですが、クラスメイトや先生方がたくさん話しかけてくれたこともあって、その不安はすぐになくなりました。
そうですか。不安がすぐに解消されて良かったですね。さて、お待たせしました。H.YさんとR.Yさんはご姉妹ですね。
H.Y はい、ふたりともマレーシアのクアラルンプールで生まれ、私は3歳、妹は1歳の時まで住んでいました。クアラルンプールのことはあまり覚えていませんが、母の話だとマレーシアを離れるときは大泣きして大変だったそうです。
R.Y 私は、あまり覚えていません。まだ生まれたばかりでしたから。
その後、日本に戻らずにアメリカへ?
H.Y いえ、1年半ほど日本で生活しました。日本に「帰国」というより「初めての外国に住む」という感じでした。その後、私は4歳から13歳まで、妹は2歳から11歳までの9年間アメリカのワシントン州に移りました。
大変だったでしょう。やはり言葉の問題が大きかった?
H.Y 私もM.S先輩と同じで、最初は英語が全くわかりませんでした。それに、現地校と補習校の両立がとても大変でした。さらにミドルスクールに入ってからは、勉強が急に難しくなって本当に苦労しました。でも、周りにいた日本人の友達も同じことをしていると考えたら、私も負けていられないと思いがんばることができました。
R.Y 私の場合は、英語はそれほど難しくありませんでしたが、成績の良い姉といつも比べられたのが辛かったです。また、私も姉と同じで現地校と補習校の両立は大変でした。補習校では週1回の授業で日本の2週間分の授業内容を理解しないといけなかったので、ワークなどを使って復習に十分時間をかけました。
この学校を選んだポイントは何でしたか?
H.Y 帰国生が多くいる学校だと父に勧められたことと、英語の勉強にとても力を入れている学校だったことです。私は中2の6月に編入試験を受けて入学したのですが、中1のころから受験を意識し始めて、学校選びを始めたと思います。学校見学のとき、編入試験の内容や学力レベル、帰国生のサポート体制などを質問していたので、納得して受験することができました。
R.Y 私は姉がこの学校に編入したときから受験のことを考え始めました。小6の6月でした。姉が通学していて心強かったこともあり、ほとんど迷うことなく大妻中野に決めました。
大妻中野の海外帰国生教育
2016年度で15年目を迎えた大妻中野の帰国生教育。帰国生一人ひとりの、海外での生活体験・学習履歴を生かした教育を実践しています。
受験の準備について聞かせてください。
H.Y 編入試験の2ヶ月前ぐらいから面接や作文の練習も含めて受験勉強をしていました。両親に手伝ってもらった面接練習が役に立ちました。それでも、試験の当日は緊張して手が震えて困りました。
R.Y 私も面接練習をしてもらいました。帰国してからは漢検と小学校の勉強で精一杯だったので、それ以外の特別な勉強が思うようにできませんでした。過去問で英語の入試問題が難しいことがわかっていたので、力を落とさないように気を付けていました。
入学前に心配だったことはありましたか。
H.Y 社会や理科が不安でした。日本の歴史は習ったことがありませんでしたから一番不安でした。また入学してから英語力が伸びるかも心配していましたが、授業に加えて大学の先生やチューターとして学校に来てくださる帰国生OGにもサポートしていただけるので、安心しています。
R.Y 私は、アメリカから日本に帰って入学した小学校に少し馴染めなかったので、日本の学校が少し怖いように思って不安でしたが、この学校のことは姉から色々聞いていたので少しずつ不安もなくなり、入学した今ではとても楽しく毎日を過ごしています。
2017年度 入試要項(案)は、こちらでご覧いただけます。
<2016年10月22日(土)に海外帰国生入試・編入試験をシンガポールにて実施します。>
次に学校生活について教えてください。M.Sさん、学校のお気に入りポイントは何ですか?
M.S 図書室です。チューターの方々に指導していただく勉強もとてもためになりますが、少し余裕ができたときに一人で勉強してみようと試しに図書室に行ってみたのがきっかけです。そこでお会いした図書室の先生と色々な本の話ができることがとても楽しく、学校にいるけれども違う世界にいるような気持ちになります。また、先生たちにいつでも気軽に質問に行けるところもうれしいポイントです。
H.Yさんはどうですか?
H.Y 私は英語室が大好きです。土曜日や部活の前にちょっと時間が空いた時にはよく英語室に行きます。英語の本も多く、ネイティブの先生もいらっしゃるので安心できる環境です。
R.Yさんはいかがですか?
R.Y 学校全体がすごくきれいなことですね。特にトイレがきれいなのでうれしいです。勉強面では、英語を自由に話すことができるのでとても良かったと思っています。英語の授業は、ネイティブの先生が時々ジョークを交えながらいつも楽しい授業をしてくださり、まるでアメリカに戻ったような気持ちになります。
M.S そうそう。帰国生が自分のままでいられる環境がいいよね。
今年から新設された、グローバルリーダーズコース(GLC)のことを聞かせてください。
M.S 私は高校のGLC1期生になりますが、昨年までの内容から大きく変わり、まるで別の学校に来たようです。GLCの授業はレベルが高いので、ついて行けるよう一生懸命勉強しています。英語の授業は全て英語で行われていて、アメリカの教材を使っています。
R.Y 私は中学の1期生です。英語の方が理解しやすいので、楽しいです。ネイティブの先生は会話だけでなく、文法やライティングまで教えてくれます。英語を話すと自慢しているように思われるかなと考えた時もありましたが、今では友だちとの会話はほとんど英語でできるので、とてもうれしいです。また、英語以外の授業でも、先生に日本語が出てこなかったら英語で答えてもいいよと言っていただいているので、気持ちが楽です。
H.Y GLCのことは妹から話を聞く度にうらやましく思っています。来年高校1年になりますので、絶対GLCに入ろうと思っています。英語以外の教科はどれも漢字テストをやっているような気持ちになる時があるので、GLCに入って今まで以上に伸び伸びと英語を使いたいです。
グローバルリーダーズコースでは、フランス語の勉強もしていると聞きましたが。
M.S はい、今までも選択で授業を受けることができましたが、GLCではフランス語が必須科目です。高校では週に2時間の授業があります。発音が難しくて大変ですが、先生の発音を真似しながらがんばっています。
R.Y 中学では週1時間です。私も発音に苦労していますが、今のところ何とかついていけています。
H.Y ヨーロッパへの憧れもあるので、アメリカにいた頃からフランス語を勉強したいと思っていました。そのこともあってGLCに是非入りたいと思っています。
タブレット端末を使った授業のことを聞かせてください。
M.S 日本史の授業でよく使っています。先生が今日勉強する内容をタブレットに送ってくださるので、自分の頭も整理できて授業がとてもよくわかります。タブレットで宿題を提出することができるようになったので、今日出された宿題をその日のうちに提出しなければならないときもあり、それは大変です。
H.Y ノートに書いた自分の答えや考える過程を写メに撮って先生に送り、それを先生がスクリーンに映しながら説明してくださいます。手をあげて回答している訳ではないですが発言している様な気持ちになりますし、友だちがどのように考えて問題を解いたのかがよくわかります。またグループ発表の時もタブレットを活用することで意見をまとめることがスムーズになったと思います。
R.Y 自習に使える色々なアプリがあるので、楽しみながら勉強できるところが私は好きです。
さて、入学後に困ったことはありませんでしたか?
M.S 入学前に思っていたよりも、ずっと学校の勉強が難しかったことです。特に理系科目に苦労していますが、どんなことでもすぐに先生に質問するようにしています。
H.Y 私は編入だったので、入学後すぐに体育祭の予行演習や芸能教室などの校外活動で迷子にならないかが不安でした。それまで電車にほとんど乗っていなかったので、余計に不安になりましたが、友だちがとても親切にサポートしてくれました。
R.Y 小学生対象の帰国生講座に参加していて、入学する前から学校の雰囲気がわかっていましたし、姉からも色々聞いていたのでそれほど困りませんでした。
さて、少し話題を変えましょう。制服は気に入っていますか?
M.S 中学はセーラー服でした。私には着るのが少し面倒だったので、早く高校のブレザーが着たくてとても待ち遠しかったです。新しい制服が届いた時は、嬉しくて叫んじゃいました。(笑)
H.Y アメリカにいる時から制服に憧れていました。私も早くブレザーを着たいですが、ネクタイの色が他校にはない色で珍しいので、セーラー服も気に入っています。編入試験を受けた部屋に制服が飾ってあって、「絶対に着るぞ!」って思いながら問題を解きました。
R.Y 私は姉と同じ制服が着られてとても嬉しいです。とても気に入っているかわいい制服です。
みなさんは部活に入っていますか?
M.S 中学の時は吹奏楽部に入っていました。高校からは平和学習同好会と演劇部に入っています。今年の文化祭(コスモス祭文化の部)では、グローバルフェスティバルというサブタイトルも付くのでGLCがリードしていくことになりそうです。
H.Y 私は、硬式テニス部に入っています。先輩・後輩という上下関係に違和感を持っていましたが、最近ではそれにも慣れてきました。
R.Y 私も硬式テニス部です。家では姉のことを「ねーねー」と呼んでいますが、部活では「先輩、アドバイスをお願いします」という話し方をするときもあるので、その時は少し気まずいです。(笑)
この学校で強い部活は何ですか?
M.S どの部活もレベルが高いと思いますが、中でも合唱部とダンス部はとても強いです。
学校の先生たちのことを教えてください。
M.S やさしくて、私たちのことをちゃんと考えてくれる先生方です。ネイティブの先生もいろいろな面で私たちをサポートしてくださいます。私は、古典・日本史・音楽・体育・現代文の授業が好きです。
H.Y 私の日本史の先生は、何て言うか、マニアックに教えてくださいます。色々なアイテムを持ってきて具体的に説明してくださるので、とてもわかりやすいです。日露戦争の説明の時は、教室中が正露丸の匂いになって大変でした。(笑)
R.Y 私も日本史の先生です。とにかく楽しく教えてくださるので、歴史が嫌いな生徒もすぐに好きになると思います。私たちに考えさせて答えを探っていく授業が好きです。
学校案内にもホームページにも書いていない、とっておきの情報はないですか?M.S 合唱コンクール、体育祭、文化祭など行事がたくさんあるのですが、女子校ならではの団結感がすごいです。これは体験しないとわからないですね。
H.Y 先生方がよく声を掛けてくださって、色々な相談に乗ってくださいます。勉強面はもちろんですが、部活やその他の学校生活についても親身になって一緒に考えてくださるので、うれしいです。
R.Y 私は教室や校舎をみんなと協力して隅々まで掃除して、いつまでもきれいなまま使えるようにしていきたいです。きれいだと気持ちよくなりますし、テンションが上ります。
大妻中野公式YouTube はこちらでご覧いただけます。
入試説明会、文化祭、オープンデーなど、内容も盛りだくさんです。
将来のことはどのようにイメージしていますか?大学で勉強したいこととか、職業のこととか。
M.S 夢はヒミツです。(笑)でも将来は日本の大学に進学して、国文学や日本語のことを勉強したいと思っています。メディアにも興味があるのでその方面の勉強ができる学部を探そうと思います。
H.Y まだ何も決まっていないので少し焦っていますが、これから時間を掛けてじっくり考えたいと思っています。本当にやりたいことが見つかったときに困らないように幅広く勉強していきたいです。
R.Y 理学療法士になりたいと思っています。ケガや病気などで身体に障害のある人のケアをする仕事です。この分野ではアメリカの方が日本よりも進んでいるので、日本では勉強できないことをアメリカで勉強したいと思っています。
帰国生の後輩たちに学校生活でのアドバイスはありませんか?
M.S 先生たちにどんどん質問しても大丈夫です。優しい先生が多くて生徒のためにすぐに動いてくださいます。授業の内容でわからないことがあったらすぐに教え方を改善してくださいます。
H.Y 帰国した今、もっとアメリカでできることがあったなと少し反省しています。ですから皆さんは現地でしか体験できないものをどんどん体験してほしいと思います。そしてその体験をこの学校で伸ばしてほしいと思います。どんなことでも熱心に取り組んでいれば、必ず支えてくださる先生方ばかりですから、帰国後のことはそれほど心配せずにがんばってください。
R.Y いま生活している国の言葉をしっかりと勉強して身に付けることが大切だと思います。この学校ではその力を更に伸ばすことができますし、授業だけでなく学校生活の色々な場面で活用できるはずです。
本日はありがとうございました。これからも充実した生活を送ってくださいね。
3人ともとても明るくて、実に楽しそうに学校のことを話してくれました。帰国生にとって伸び伸びと生活できる環境が整っているということが、ひとりひとりの言葉からとてもよく伝わってきました。 読者の皆さんも是非学校見学にいらっしゃってください。JOBAも自信を持ってお勧めできる学校のひとつです。