まず、タイとアメリカでの生活経験があるN.Oさんから、海外での経験について教えてください。
N.O タイは、幼稚園のときでしたのでほとんど覚えていませんが、日本人の友だちが多かったと思います。反対にアメリカでは日本人がほとんどいなくて、生活を始めたころは英語が全くわからずに苦労しました。しかし、自分でも気が付かないうちに自然と聞き取れ話せるようになり、ブラジルやベネズエラ、中国の人たちとも仲良くなれました。今でも連絡を取り合っています。
海外滞在中、勉強面で困ったことはなんですか?
N.O 現地校と補習校に通っていたので、勉強を両立させることが大変でした。現地校の宿題が中学になった途端に多くなりました。教科書を読んでワークブックを仕上げるというものでしたが、かなり時間がかかるため、補習校の宿題は週末に全て終わらせて、現地校の勉強に専念するようにしました。
受験の準備はいつごろからどのように進めましたか?
N.O 受験を意識し始めたのは小6の冬ごろだったと思います。母と相談しながら学校を絞っていきましたが、帰国生クラスがあって英語に力をいれていることがこの学校に決めた理由です。また、校舎が綺麗で清潔だったことも気に入りました。
大妻中野の海外帰国生教育
2018年度で17年目を迎えた大妻中野の帰国生教育。帰国生一人ひとりの、海外での生活体験・学習履歴を生かした教育を実践しています。
過去問は解きましたか?
N.O 過去問は使いませんでした。入試直前までアメリカにいて、1月に帰国しました。短期間でしたが、JOBAの入試直前講習会に通って小論文の仕上げをしました。
面接・作文の対策はしましたか?
N.O はい、小論文専門の先生の指導を受けていました。週に2つから3つのテーマについて書いていました。主にアメリカで学んだことやフィクションなどです。
受験のときに、いちばん困ったことはなんでしたか?
N.O 周りの受験生に圧倒されてしまったことです。都立高校を受験したとき、周りの受験生は相当勉強しているなと思えるぐらいの雰囲気があったからです。また、面接の試験が保護者同伴だったのですが、ほとんど母に話しを任せてしまった形になったので、もっと積極的に話せばよかったと後悔しました。
Y.Sさんは、ベトナムでしたね。現地での様子を教えてください。
Y.S いつもジメジメして毎日暑く、突然土砂降りに見舞われることもあり大変でした。コンビニもなく小学生だった私がほしかったおもちゃのネックレスなどの小物も手に入らずとても不便を感じていました。しかし食事は口に合いました。ブンチャーという麺料理が大好きでした。
海外滞在中、勉強面で困ったことはなんですか?
Y.S 私は、インターの勉強と日本の勉強の両立が辛かったです。私もインターに入ったばかりのころは全く英語ができなかったのですが、英語がわかるようになり授業もわかるようになると、授業がどんどんおもしろくなりました。勉強がおもしろいと感じたのは初めてでした。日本の勉強は、定期的に日本から送ってもらった教材を使って進めていました。
受験の準備はいつごろからどのように進めましたか?
Y.S 両親の勧めもあって、小学校6年生の7月ごろから受験を考えるようになりました。本帰国後に入学した公立小学校ではあまり勉強に前向きになれなかった私を見た母が、私と同じように海外生活を経験した生徒が多い学校に入った方がいい刺激になると考えて勧めてくれました。そこで、帰国生が多く在籍していて、ケアもしっかりしていると聞いていたことから大妻中野を選びました。
受験勉強で大変だったことは?
Y.S 国内生は小4から塾に通って対策を始める受験生がほとんどなので、JOBAの夏期講習会に参加したときも勉強ができる子が多かったのでついていけないのではと思ったこともありました。過去問ばかりやっていると気が滅入るので、気分転換も兼ねて英検の対策もしていました。
作文や面接は練習しましたか?
Y.S 作文は講習会でいろいろな題材について書き、先生に丁寧に添削していただきましたが、毎日毎日書き続けるのは辛かったです(笑)。面接も講習会で練習しました。実際の試験と同じように1対1での受け答えを何度も練習しました。実際の試験では現地の学校で楽しったことや現地で何が好きだったかなどを聞かれました。
受験のときに、いちばん困ったことはなんでしたか?
Y.S 受験のときのルールを知らなかったことです。大妻中野の11月入試が初めての受験でしたが、机の上は筆記用具だけ、消しゴムのカバーを外すなどこんなルールがあるんだと驚きました。試験中にカバンから手帳を出そうとして注意されちゃいました(笑)。
大妻中野のSGHプログラム
大企業・SGU各大学・大妻女子大学その他の国際的機関と提携・連携・協力関係を結ぶことができました。
お待たせしました。M.Tさんはシンガポールとマレーシアでしたね。
M.T はい、日本よりも学校が終わる時間が早くて退屈だったので、よく友達とタブレットを使ってテレビ電話で話していました。アメリカ人、レバノン人、インド人の友達です。今でもよく連絡を取りあっています。インターの授業は最初のころ全くわからなくて、テストも解けずに絵を描いていたこともありました(笑)。
やはり勉強は大変でしたか?
M.T 現地では日本語と英語を両立させるのには苦労しましたが、約2ヶ月あった夏休みには日本に帰国して、日本の勉強に少しでもついていけるように塾などで勉強しました。
受験は、いつごろ考え始めましたか?
M.T 小6の夏休みごろです。公立の中学校に通っている兄が英語のレベルに満足できていなかったのを見ていたので、英語もしっかり勉強できる私立がいいなと思うようになりました。
受験勉強をしていたころの思い出はなんですか?
M.T 中学を受験する友達は毎日深夜まで勉強していたようで、半分寝ているような感じで登校していた姿は少し怖かったです(笑)。私もJOBAに通って受験対策をしていましたが、そこまではしていませんでした。
やはり作文や面接はしっかりと準備をしましたか?
M.T 面接だけ準備をしました。毎回30分ぐらいの時間で練習していたので、入試当日の10分程度の面接は簡単に感じました。もともと声が小さいので、なんとか大きな声を出そうとがんばって練習していました。
受験のときに、いちばん困ったことはなんでしたか?
M.T テレビを見る時間が少なくなってしまったことです(笑)。
2019年度 入試概要
シンガポール会場入試 2018年10月20日(土)
第1回海外帰国生入試 2018年11月17日(土)
第2回海外帰国生入試 2019年 1月12日(土)
みなさんにお聞きします。入学前に抱いていた不安はなんですか?
N.O 授業についていけるか、仲のよい友達ができるか、電車やバスを乗り継いで無事に学校にたどり着けるかなど、たくさんの不安がありました。大妻中野では入学前に帰国生ガイダンスがあり、そのときにすでに友達ができていたので、入学のときには不安のひとつは解消されました。
Y.S 入学前に出された課題が多かったので、勉強についていけるかが心配でした。初めて見るような問題ばかりで、一般受験で入った子はこんな勉強をしていたんだと驚きました。食塩水の問題などは、何をどうやったらいいのかさっぱりわからず・・・(笑)。
M.T 私はそれほど心配していませんでした。入学が楽しみでした。
入学前の印象と入学後の印象に違いはありましたか?
N.O 個人的には、校則の厳しさに驚きました。髪は必ず結ぶとか、繁華街には立ち寄ってはいけないとか、登下校時はもちろんですが帰宅後もダメなんです。親と一緒なら大丈夫ですけどね。
Y.S 受験のときは、周りがとても緊張していて萎縮してしまいましたが、実際に入ってみるとみんな生き生きとしてとても楽しいです。筆記試験のあと面接の時間まで食堂で待機していたのですが、誰も一言も話をしていませんでした。音をたてずにお菓子を食べるのが大変でした(笑)。
M.T 私も校則です。シュシュを付けてはいけないとか、生徒だけでのカラオケも。
私が取材した学校の中にはもっと厳しい校則の学校もありましたよ。では、気を取り直して学校のお気に入りポイントはなんですか?
N.O 友達と先生です。クラスの友達とは5年の付き合いになるので、もう何でも話せる仲です。先生も話しやすい方ばかりですので嬉しいです。場所でしたら英語資料室ですね。ここでネイティブと先生方とお話をするのが好きです。
新校舎パノラマ写真は、こちらでご覧いただけます。
Y.S お昼やおやつが買える自動販売機と、学用品が充実している購買がお気に入りです。また、私もネイティブの先生方が大好きです。日本人の先生方よりも更に身近に感じています。プライベートのことも含めていろいろな話をしてくださいます。
M.T 来週開催される体育祭が楽しみです。今いろいろと準備を進めています。台風の目やエアロビクスなどの競技に出場します。
様々な体験を通して、目標の達成感と仲間との一体感を体感する
大妻中野の年間行事予定はこちらから
入学後、学習面で困ったことはなんですか?
N.O 歴史の授業です。一度も日本史を勉強したことがなかったのでとても辛かったです。アメリカの歴史なら得意なんですけどね(苦笑)。
Y.S 私は英語一科目受験で算数や国語の勉強をしていませんでしたので、ついていくのが大変でした。また定期試験でも思ったように点数が取れず苦労しました。
M.T 国語力の差を感じたことです。月に1冊本を読み読書ノートを提出しなければならないのですが、本を読む習慣がない私にはとても大変です。漢字はなんとかついていけます、古文が難しくて苦労しています。
学習面以外ではどうですか?
N.O 学校が広すぎてよく迷子になってしました(笑)。また、海外の学校では先輩後輩という上下関係がなかったので、戸惑うことが多かったです。
Y.S 私のクラスは帰国生クラスだったので、他のクラスのこと馴染むのに少し時間がかかったことです。
M.T 今のところ、特に困ったことは感じていません。
他の帰国生たちのことを教えてください。
N.O みんなとても明るくて個性豊かです。しゃべることが大好きでノリがいいし、それぞれのバックグラウンドが違うので話を聞くのが楽しいです。
Y.S とても明るくて一緒にいるととても楽しいです。普通言えないこともズバズバ言ってくるしハキハキしているので、たまにイラッとするときもありますが(笑)、友達になれてよかったなと思っています。
M.T 明るく優しく気の合う仲間が大井です。中間テストの前にみんなで集まってテスト勉強をしました。韓国やイギリスに住んでいた帰国生です。
「英語を学ぶ」のではなく、「英語で学ぶ」
大妻中野のグローバル教育について
皆さんが在籍しているグローバルリーダーズコース(GLC)のことを聞かせてください。
N.O 私は英語が好きなので、オールイングリッシュの英語の授業が嬉しいです。レベル別にα・βという2クラスに分かれています。
Y.S GIS(Global Issue Studies)でのプレゼンテーションや論文の授業です。他の人の意見が聞けるので毎回新しい発見があります。
M.T 全校で実施しているMMT(Monday Morning Test)では、週ごとに国・数・英のテストがありますが、私達GLCの6組も、一般生のクラスに負けないように一生懸命がんばっています。
グローバルリーダーズコースの内容や入試に関するQ&Aは、こちらでご覧いただけます。
制服は気に入っていますか?
N.O はい、中学でセーラー服を、高校でブレザーを着ることができるので嬉しいです。
Y.S 好きな先輩にお願いして制服を譲っていただけることも嬉しいですね。ブレザーにエンブレムがあるともっといいんですけど(笑)。
M.T スカーフがちょっと長くて手を洗うときに苦労しています。先輩たちがちょうちょ結びをしていたので真似したこともありますけど(笑)。
制服についてはこちらでご覧いただけます。
みなさんが入っている部活のことを聞かせてください。
N.O 平和学習同好会に入っています。最近INGという名称に変わりました。平和問題をみんなで考え署名活動をしたり、模擬国連のセッションで他校の生徒たちと一緒に活動をしたりしています。
Y.S 私は合唱部です。中2のときにNHK全国学校音楽コンクール 全国コンクールに出場しました。NHKホールで歌えたこと、またその会場でセカオワのメンバーに会えたことは今でもいい思い出です。
M.T 古文にも慣れることができると思い、かるた部に入っています。先程のMMTの対策にもなっています。
部活動についてはこちらでご覧いただけます。
将来のことはどのようにイメージしていますか?大学で勉強したいこととか、職業のこととか。
N.O 今のところ、国際教養学部に興味があります。海外の大学も考えています。職業については具体的には決めていませんが、海外でも活躍できるような仕事に就きたいと思っています。
Y.S 私も国際教養学部に行きたいと思っていますが、大学まではまだ決めていません。将来は文科省などに入って教育を改革したいと思っています。私がベトナムで受けた教育は、主にドリルを解くという日本のものとは全く違い、ある問題について自分の考えをまとめ発表するというスタイルがメインでした。勉強することは楽しいとわからせてくれたこのスタイルを、日本でも進められたらと思っています。
M.T 看護学校に通っている姉の影響もあって、将来は医師か看護師になりたいと思っています。大学も医学部か看護学部を目指そうと考えています。できれば偏差値も高い大学を目指していきたいです。
将来の夢に向けて今がんばっていることはなんですか?
N.O ひたすら毎日の授業と宿題をがんばっています。また、先輩からこの学校の人達だけでなく他の世界も積極的に見るべきだと教えていただいたので、情報をたくさん得るようにしています。外国人旅行者へのサポートボランティアなどにも参加しています。
Y.S 定期テスト、学校外の活動などです。大学受験はAO入試を考えているので、まずは学校の成績をしっかり取っておきたいと思っています。私も最近見つけた教育系のボランティア活動に参加しようと思っています。中学生から大学生まで参加する会議でいろいろな問題を検討し解決に向けて活動するというものです。
M.T 医師や看護師になるには、論文を書いたり国家試験に合格して免許を取ったりしなければならないので、苦手な国語力を上げるようにがんばっています。好きではないですが、本も読まなきゃ・・・(苦笑)。
最後に、後輩海外生・帰国生へのメッセージをお願いします。
N.O 海外で得た経験は何にも変えられない財産だと思います。日々を大切に過ごしてください。
Y.S 学校を選ぶなら、やはり帰国生が多い学校が良いと思います。とても刺激になるし、同じような気持ちを共有できるので私はお勧めしたいです。
M.T 現地でも日本の本をたくさん読んで、漢字の練習も続けることをお勧めします。今私が苦労しているからです。また、宿題以外に毎日5分だけでも英文法の勉強もしておいた方がいいと思いますよ。
ありがとうございました。みなさんも夢に向かってがんばってくださいね。