本日は宜しくお願いします。まずY.Tさん、シンガポールとタイを経験されていますが、その2ヵ国での違いや、日本との違いを教えていただけますか?
Y.T シンガポールではあまり日本との違いを感じなかったのですが、タイでは街の様子が整備されていない部分が多いなと感じました。ある意味、新しいことをタイに行って発見出来たと思っています。通っていた学校はどちらもIBのカリキュラムがある学校だったので、学習面ではあまり違いはありませんでした。シンガポールの人はインターではなく現地校に通っている生徒が多かったのですが、タイの人は英語を学びたいからという理由で、インターに通う方が多かったように思います。また、タイの学校では学期ごとに自分がやりたいスポーツを選択出来たので、運動面では充実していました。日本の場合でしたら、継続して部活動をやると思うのですが、わずか1年の間でも様々なスポーツを経験することが出来ましたね。
例えば何をされていましたか?
Y.T ソフトボールをしていた時期もあれば、テニスをしていた時期もあります。他にも、新体操やサッカー等、沢山のスポーツを経験しました。
当時のテニス経験もあり、大妻中野でもテニスをやろうと思われたのですか?
Y.T はい。一番長く経験したのがテニスでしたので、そのまま続けようと思って、硬式テニス部を選びました。
なるほど、有難うございます。次はH.Mさん、中国の青島日本人学校へ小学校2年生の春から行かれたということですが、いかがでしたか?
H.M やはり最初はかなり不安でした。中国語は全然分からないですし、初めての海外でしたので、向こうへ行って何がどう変わるのか、日本人学校はどんな雰囲気なんだろうと、あれこれ心配していました。しかし実際行ってみると、日本人学校ということもあり、中国語はあまり必要なかったです。敢えて言うならば、青島は日本人がとても少なかったですね。
クラスは何人ぐらいでしたか?
H.M 1クラス10人位です。学年によっては1桁のクラスもありました。小中一貫校でしたので、全校生徒合わせて100人いるかいないかですね。日本では味わえなかった少人数授業ということもあり、先生との距離も近く、友達と深く関わり合えたように思います。
それは良かったですね。その他、異文化ならではのことがありましたら教えてください。
Y.T シンガポールでは英語が使えたので、英語で現地の方と会話していました。一方、タイではタイ語ができないとコミュニケーションが取れないので、とても苦労しました。タイ語の発音はとても難しく、現地の方には中々通じませんでした。タイ語が上達したのは専属の運転手さんやメイドさんのおかげです。日々、彼らとお話することで少しずつですが、話せるようになっていきました。ちなみにタイでは、運転手さんやメイドさんを雇う家庭が多いのです。
やはり、日々の訓練が語学上達には必要ですよね。それではこのセクションのまとめとして、海外生活で得た一番の経験は何か、それぞれ語ってもらってよろしいでしょうか。
H.M 偏見に対する考え方が変わりました。当時、反日デモと時期が重なっていたのですが、日系企業の家族というだけであまり良い印象を持たれなかったりもしました。「外へ出る時は日本語を話しては駄目、タクシーに乗る時もあまり日本語を話さないようにしよう。」という注意を促されていた頃です。そしてその頃、家族で現地のタクシーに乗った際、運転手さんに日本人かどうかを聞かれました。父がその質問に対してどう答えるか、戸惑っていましたね。そして悩んだ末、「日本人です。」と答えたら、タクシーの運転手が「僕は日本のことをすごく好きだから、変な気遣いはしないでね。」と言ってくれて、とても安心しました。その時、中国人全員が日本のことを嫌っている訳ではなく、反日デモをしているのも一部の人だということも知りました。やはり私たちが見ている部分は一部分に過ぎず、全体が見えていないんだなという事に気付けた瞬間でしたね。それは今でも心の中で大事にしています。
素晴らしい経験ですね。Y.Tさんはいかがでしたか?
Y.T 私は海外でずっとインター校に通っていたので、多くの経験が出来たと感じています。クラスには様々な国の人がいましたし、学内ワールドフェスティバルで各国のブースを訪れることによって、その国の歴史や、特徴等も知ることが出来ました。インターに通っていたからこそ出来たことと思っています。
様々な経験をし日本に帰って来るわけですが、数ある日本の学校の中で、なぜこの学校に入学されたのでしょうか?
H.M そうですね、帰国子女の先輩で私立学校を多数受験した方にお話を聞きました。そして、お聞きした学校へ実際に行ってみたのですが、その中で帰国子女を一番多く受け入れているのが大妻中野だと知ったからです。自分が入った時に帰国生という特別な目で見られることもないかなと思いましたし、タブレットで授業をするのも素敵だなと思い、それらが受験をする決め手となりました。また、帰国生のためのクラスも設けられており、入った後に自分自身が楽しく過ごせそうなのも魅力でした。
わかりました。ちなみに受験は何の教科で受けられましたか?
H.M 私は英語圏ではなかったので、国語と算数の2科目です。あとは面接でした。
Y.T 私の場合、英語は得意だったのですが、日本語は話せる程度のレベルだったので、英語のみで受験できる学校に絞って調べました。大妻中野が英語の筆記試験と日本語の面接のみだと聞いた時に、これなら自分の日本語力でも受けられるかなと思い、この学校に興味を持ちました。大妻中野のパンフレットや、説明会から帰国生向けにGLCコースがあることを知り、それも決め手になりました。見学に行った他校は、帰国生専用のプログラムはありませんでした。GLCプログラムは、少人数にも関わらず、担任の先生が2人もいらっしゃいます。また、英語の授業はネイティブの先生が行い、それを日本語の先生がサポートする感じでしたので、自分にとってはなじみやすい環境かと思い、大妻中野を受験することにしました。
Y.T 面接は日本語のみの学校も多かったのですが、そんな中、英語と日本語両方の面接があったのも良かったです。
有難うございます。GLCクラスのお話が出ましたが、そちらの魅力を改めて教えて頂けませんか?
H.M 私は元々、GLCクラスに中1からいたわけではなくて、今年から入ったばかりですが、英語が得意な友達は日常会話が英語なので、とても良い刺激になります。自分もこれ位喋れたら良いな、これ位喋れるように頑張ろう、というようにモチベーションが上がります。
高校生になったらGLCに入ろう、というきっかけが何かあったのですか?
H.M 中学校3年生のときに、ニュージーランドに2週間ほど夏留学しました。その時に英語が喋れないことに心底がっかりして、絶対英語を喋れるようになってやるという気持ちが芽生えたからです。それ迄は普通クラスにいたのですが、高校生になったらクラスを変えて英語を頑張ろうと決意しました。
留学がH.Mさんの気持ちを大きく変えたターニングポイントになったわけですね。
少人数コースは全教科なのですか、それとも英語などの限られた教科のみでしょうか?
Y.T 英語と数学が少人数です。英語はレベルによって、αとβの2クラスに分かれています。GLCではさらに二つに分かれるので、15人ぐらいのクラスで英語をきちんと学べるようになっています。そして数学もクラス分けされています。海外では国によって、数学の進み具合が違うので、GLCの中で二つに分かれています。
英語・数学で少人数の授業を受けられるのは、とても有難いですよね。
Y.T 数学に関しては、英語と日本語の教科書が両方ありますので、日本語の教科書を見て分からなかった時には、英語の教科書を見て理解していました。英語と日本語の両方で数学を学べるのはとても嬉しかったですね。
H.M 高校も英語はレベル別に分かれています。また、フランス語も同様に分かれています。
グローバルリーダーコースのアクティブラーニング型授業について教えてください。
H.M GISといって、主にSDGsを使った日経STOCKリーグに高校1年生は取り組んでいます。帰国生が多いので、自分たちが元々いた地域はこういうところが問題だった等、様々な意見が出ます。私の知らない国の事情を知ることができるので、とても良い経験になっています。
Y.T 中学ではパワーポイントやロイロノートも使用します。プレゼンをする機会は多いです。また、課題の提出方法はノートそのものではなく、ノートを写真に撮って、先生が用意して下さった提出箱に写真を提出するという形ですので、荷物の負担が軽減されます。
有難うございます。SGHプログラム、大学や企業との連携についても教えてもらえますか?
Y.T それですとフロンティアになりますね。普段の学校の授業では学べないようなことを、フロンティアの授業では学ぶことが出来ます。例えば、ユニクロの『服を届けようプロジェクト』を学校で実現するために、フロンティアでその準備をしたりします。中2から高2の4学年で、希望すれば誰でも入れます。普段の学校生活では味わえないようなことをフロンティアの授業では経験できます。
☆文部科学省が指定するSGH(Super Global High School)は将来、国際的に活躍できるグローバルリーダーの育成を促進する高等学校です。大妻中野は2015年からSGHアソシエイト校に指定されました☆
☆有名企業等の提携 フロンティアについてはこちら☆
Y.T ちなみに昨年はユニクロと博報堂が来校されました。そこではイシュープラスデザインのゲームをしました。SDGsを使ったゲームなのですが、「Aを達成するには、BとCとDが必要です。それらを得るために自分はどうしますか?」等、SDGsの大切さを学ぶことが出来ました。
そのような貴重な経験を中学生でも学べるのは素晴らしい環境ですね。
H.M 私的なことですが、私は企業の方々とコネクションを作ろうと、目下奮闘中です。現在、トビタテ留学を中心に活動していますので。
H.M 私はイギリスに1年間ほど、演劇を学びに行くのですが、学んだ後の自分の活動する場、学んだことを発信する場を作っていきたいと考えています。私の最終目標である、『日本の観劇人口を大幅に増加させる』という目標は、学校規模では小さいと思っています。動かせても1桁位なのかなと思いますので。ですので、自分が帰ってきた時に、活動の場を提供していただけるよう、企業にアプローチしています。
素晴らしいですね!具体的なプランはあるのですか?
H.M はい。2026年までに自分の作ったチームで日本国内6回公演を実現したいのです。2026年からは、日本で演劇プロジェクトを立ち上げて、いつかは自分の最終的なゴールである、世界の国立劇場で公演出来たらいいなと思っています。すごく大きな夢になってしまうのですが、多くの企業さんにご支援頂ければと考えています。
関心してしまいます。言葉が出ません。素晴らしすぎます。険しい道だと思いますが、頑張ってください。Y.Tさんは今後留学を考えていらっしゃいますか?
Y.T 直近ではこの夏にタイのチェンマイに行く予定です。フィールドワークです。久しぶりのタイですので楽しみにしています。また、高校生になったら、ターム留学または1年留学を考えています。
留学について、具体的に行き先は決められているのですか?
Y.T 今はアメリカを考えています。イギリスだと発音が違うので、行くならアメリカが一番ですかね。
楽しみなことが多くてお二人ともうらやましいですね。それではこのセクションの最後に、帰国生教育アドバイザーの服部教授について聞きたいのですが、皆さんお話しされたことはありますか?
H.M 服部先生とは2度程お会いしたことがありますね。1度目は今年2月の外国語プレゼンテーションです。スピーチ大会があって、そちらに出させて頂いたのですが、その時プレゼンを1度聞いて頂きました。2度目は、トビタテの1次面接が受かった友達と一緒に6人位で先生の元へお伺いした時です。服部先生には2次面接のアドバイスや、Society5.0についていろいろと教えて頂きました。
Y.T 私は直接話したことはないのですが、服部先生の英語のエッセーやスピーチに関する講演会は聞いたことがあります。今年、外国語発表会があったのですが、そういうイベントでは服部先生が講演することが多いです。
やはり日本の帰国生英語教育の第一人者でもある、服部教授がいらっしゃるというのは、大妻中野さんの強みであり、安心できますよね。
☆服部孝彦教授からのメッセージ☆
高校2、3年生になると、選択授業のエッセー・ライティングや、Society 5.0でも授業してくださいます。
先程H.Mさんが将来の夢を語ってくださったので、今度はY.Tさんにお聞きしますね。将来の夢を含め、高校卒業時に自分はどうなっていたいか教えてください。
Y.T まずは英語です。英語を高いレベルの状態にして、卒業したいと思っています。英語ができることによって仕事や自分の活躍できる場がとても広がると思うので、これから英語のレベルを更に上げていきたいと思っています。そして、タイ、シンガポール、日本の3国の経験を活かし国際的な仕事に就きたいと思っています。具体的にはテレビ局かなと今は考えています。
番組を作って、世界に向けて発信するということですか?
Y.T はい。そうしたいと思っています。世界に発信するには英語が一番かなと思っています。日本語や、今学んでいるフランス語も使っていければ更に良いですけれども。
目標に向けて頑張ってください。この場を借りて学校の先生方に対して何か言いたいことがあればぜひお願いします。
H.M 私は水澤先生という、国際部の先生に感謝したいです。トビタテの書類や、海外のことで悩んでいた時に、相談に乗ってくださったり、アドバイスをしてくれたりしました。とても頼りになる、私の心の支えです。
Y.T 私が今までで一番お世話になった先生は、現在海外で研修中の川井先生です。川井先生は2年間担任だったのですが、日本語で苦戦している私に、「頑張っているね。」、「ここを工夫したらいいんじゃない?」など、沢山のアドバイスをくださいました。それを励みにして、中1から中2にかけて、とても成長できたかなと思っています。川井先生から頂いたアドバイスは今も心に残っており、本当に有難く感じています。川井先生は現在、フランスの大学に1年間研修に行かれているので、戻って来られた時に、自分の日本語力がさらに伸びた姿を見てもらいたいと思っています。
お名前の出た先生は喜んでくださると思います。それでは先生ではなく、設備や環境でこの学校のおすすめポイントはあれば教えてください。
Y.T 食堂の自動販売機がおすすめです。海外の学校では自動販売機はなかったのです。また、購買もとても充実しています。その時々で流行っているものが購買で売られているので、こちらもおすすめです。1年生のときは毎日のように行っていたと思います。
H.M 私は朝早く来るのがとても好きで、早朝の誰もいない空間が好きですね。静かで落ち着きます。
最後に、海外・帰国生の後輩たちへメッセージやアドバイスをお願いします。
Y.T まず私のように英語は得意だけれども、日本の学校の授業は不安だという人、いざ学校に入れば、担任の先生がとても親身になってサポートしてくださいますので安心してください。しかもホームルームは英語で行われます。また、皆さんに言いたいのはどこに住んでいようと、4月入学であれば皆同じスタートということです。自分の頑張る力によって、どうにかなります!小6までのことは一回忘れて、『中1から新しいスタートを切ろう!』と思って欲しいです。
H.M 私は英語圏ではない帰国子女でした。同じような環境で頑張っている子たちに、色々な国の帰国生がいるので、自分の個性を無くさずに済むよと伝えたいです。自分の経験を活かしていける場がたくさんあるし、同級生から自分の知らない国について教えてもらえるので、自分の中の世界観が広がると思います。自分が住んでいた地域の魅力などを持ち帰って来てほしいです。
どちらも説得力のあるメッセージをありがとうございます。