本日インタビューをさせていただく皆さんはアメリカでの滞在経験があるのですね。その他の国でもインターナショナルスクールに通っていた、とても英語が堪能なメンバーだと思います。まずはそんな皆さんの受験校選びについてお聞かせください。
M.T 私は小学1年生から小学5年生の途中までアメリカで生活していました。本帰国後は公立の小学校に通い始めたのですが、やはり日本の小学校では英語を使用する頻度が極端に減ってしまいましたね。せっかく努力をして習得した英語をこのまま失いたくなかったことや、アメリカでの学習環境が自分に合っていたことから、できるだけ現地の学校に近い雰囲気の中学校へ進学を希望していました。そのため受験校を選ぶ際には帰国生が多いこと、ネイティブの先生方が多くいらっしゃることを意識していました。
R.M 私も同じく帰国生を多く受け入れている学校への進学を希望していました。理由は日本の学校は生徒同士の雰囲気が固いと感じたからです。本帰国後から通い始めた小学校では友達同士が細かいグループに分かれていたため特にそう感じました。生徒同士がフレンドリーに触れ合っている海外の学校の雰囲気が自分には合っていると感じたので、私と同じような環境で生活をしていた帰国生が多い中学校への受験を検討していました。
R.O 海外の学校の雰囲気と比べると、日本の学校にはマイナスのイメージを持ってしまう方もいると思います。私も生徒同士がのびのびと生活できる明るい学校への進学を希望していました。また幼い頃から英語を学ぶことが大好きでしたので、高いレベルで勉強が続けられるかどうかも志望校を選ぶ上で重要なポイントでした。
学校の雰囲気、英語教育が志望校を選ぶ上で重要だったのですね。大妻中野はどのようにして知りましたか?
M.T 大妻中野は、いろいろな学校を調べてくれていた母に勧めてもらったのがきっかけです。その後学校訪問をして、魅力的な施設や授業の様子に惹かれて受験を決めました。良いと感じた施設は清潔感のあるトイレです(笑)。毎日使用する場所ですし、高校3年生の今でも本当にお気に入りなんですよ。また英語の教室にはたくさんの蔵書があり、帰国後ずっと触れていなかった環境に大きな刺激を受けました。アメリカの現地校で目にした本も多く置いてあり、教室の雰囲気に懐かしさと親近感を覚えました。さらに大妻中野には「帰国小学生英語講座」という、帰国後の小学生を対象にした英語の無料講座があるんです。帰国後はこの講座に参加していたのですが、実際に大妻中野の授業で使用している教科書を使った講座をネイティブの先生から受けることができ、英語力がとても伸びそうな学校だと感じることができました。
◆帰国小学生英語講座◆
大妻中野の20年の帰国生教育の取り組みを小学生にも普及させることを目的に、無料で毎週土曜日に帰国小学生を対象に実施している英語力保持・発展講座です。2021年度2学期からの参加も可能です。新規でこの講座に参加してみたい方、関心がある方はこちらをご覧ください。
「帰国小学生英語講座」では入学後さながらの授業を体験できるのですね。講座に参加していた当時の様子も教えていただけますか?
M.T 私が参加していた講座では10~15名ほどの人数でプレゼンテーションやディクテーションを行いました。中でも当時流行っていたテイラー・スウィフトの曲を流してディクテーションをしたことが一番印象に残っています。また季節ごとに行事もあり、ハロウィンパーティーやバレンタインのお祝いでは現地校に戻った雰囲気を味わえてとても楽しかったです。当時一緒に講座を受けていた小学生の中には一緒に入学をした友達もいて、高校生になった今でも仲良くしています。入学前に実際の授業の様子を知る機会があったので、大妻中野に入学をしたら自分の英語力をキープできると確信しました。
小学生の時から学校の様子を知ることができる上に、入学前からお友達が作れるんですね。続いてR.Mさんは大妻中野のどのような点に惹かれて受験を決めたのですか?
R.M 英語教育がとてもしっかりしていることと、選択授業でフランス語が学べる点に魅力を感じて受験を決めました。大妻中野では入学後のコースがアドバンストコースとグローバルリーダーズコース(GLC)に分けられており、GLCでは英語の授業を少人数・All Englishで受けることができるんです。また幼い頃から海外生活の経験があったので英語以外の言語にも興味があり、フランス語教育にも魅力を感じました。大妻中野を知ったきっかけは母からの勧めでしたが、その後実際に学校見学をしたり情報収集をしていくうちに惹かれていき、最終的な受験校は大妻中野に絞って入試を受けました。
◆2つのコース◆
「グローバルリーダーズコース(GLC)」は、その教育活動において校内で先導的役割を果たし、最終的には全校生徒・学校全体が、建学の精神を国際社会に発信できる力を獲得することを目的としています。コースの詳細はこちらからご覧ください。
この学校に入学したいと強く思えることは素敵ですね。R.Oさんは入学前、大妻中野についてどう感じていましたか?
R.O まず私は学校訪問をした時に校舎がとても綺麗なことに感動しました。特にアゴラ(カフェテリア)の印象が強く、この環境で学校生活を送れたら素敵だなと心から思っていました。受験校は主にグローバルな教育を行っている学校を調べていたのですが、校舎の様子や英語教育の充実、さらに留学ができる点を魅力に感じたことが受験の決め手となりました。私はコロナ禍に入ってから受験をしたのですぐに留学することは難しいと思っていましたが、いつか情勢が落ち着いた頃に留学プログラムに参加したいと思っています。
皆さんのお話から大妻中野の魅力がたくさん見えてきました。続いては実際の受験についても聞いていきましょう。入試方法や試験内容を教えていただけますか?
M.T アメリカの現地校で鍛えた英語力を活かして受験をしたかったので、私は海外帰国生入試の英語受験を選びました。試験内容は英語の筆記試験と面接で、面接は母と姉に協力してもらって自宅でたくさん練習しました。私が面接練習をしていた中で感じたことは、普段生活をしている時から世界の動きに目を向けるべきだということです。恐らく海外・帰国生である受験生が面接を受ける際には、自分の海外生活について話す場面が多いかと思います。もちろん貴重な経験について考えをまとめることも大切ですが、世界の情勢を知って情報を織り交ぜることでより深い内容を話すことが可能になるんです。そして何より自分の視野が広がって経験がどんどん面白いものに変化していきます。例えばコロナ禍の現在では教育がどのように変化したかなど、毎日何か少しでもいいので考えることを意識して生活を送ると実際の受験の時にも役に立つのではないかと思います。
R.M 受験方法は私も同じく海外帰国生入試の英語受験を選びました。面接での受け答えに少し不安があったので、答えに詰まらないよう自分で質問や回答を考えたり、ニュースで時事問題の確認をして対策した覚えがあります。当日の面接では「制服についてどう思うか」など楽しい質問もありましたね。また将来の夢や現地での学校生活についてもお話ししました。
R.O 私の場合、面接で日本史を勉強することが好きと伝えると「好きな戦国武将は誰ですか?」と質問していただきました。全体を通して和やかな雰囲気の面接だったと思います。しかし受験本番までは自分の英語力で合格することはできるのか、また合格ができても受験で使用していない国語や算数は授業についていけるかなど、とても心配していました。
◆2022年度入試募集要項◆
グローバルリーダーズコースに入学をするには、海外帰国生入試またはグローバル入試を受験する必要があります。2022年度の入試募集要項はこちらからご確認ください。
ここからは少し時間を遡って、海外生活について質問していきたいと思います。まずは日本から海外へ渡った時の様子を教えてください。
M.T 私はアメリカの現地校に通っていたのですが、初めは主に理科の授業に苦労しました。小学1年生の頃に渡米してすぐ天体に関するプレゼンテーションを行ったのですが、まず英語での固有名詞が分からなかったんです。その後も小学2、3年生の頃にはカエルなどの解剖を行い、とても衝撃的だったことを覚えています。小学生の理科の授業としては学習内容が高度でしたので、授業についていくのが大変でした。
渡米してすぐだと英語に慣れるだけでも大変ですよね。
M.T 英語を理解することももちろん大変でしたが、そもそもアメリカへ渡った当時は小学1年生でしたので、日本語もしっかりと順序立てて話せる状態ではなかったんです。頭の中で言語が混ざってしまうことに本当に苦労しました。ただその現地校には日本人の生徒が多く通っており、さらに日本人の先生もいらっしゃったことが救いでした。日本人の先生には補習をしていただいたりと当時大変お世話になりました。
幼い頃から海外での生活が始まると言語が混ざってしまうといった問題も起きてしまうのですね。R.Mさんも幼い頃から海外生活を送っていたようですが、言語の問題を感じた場面はありましたか?
R.M 私は生まれてから4歳までの期間をアメリカで生活していましたが、幼かったため当時の記憶はほとんどありません。その後日本へ移り、今度は小学2年生の時にベトナムへ渡ることになったのですが、その頃は英語を話すことができなかったのでとても不安でした。日本の友達と離れ離れになってしまうことも嫌でしたね。
新しい生活が始まる時は不安に感じてしまいますよね。実際の現地での生活はいかがでしたか?
R.M 不安な気持ちで始まったベトナムでの生活ですが、いざ現地に移ってみると楽しく過ごすことができました。ただインターナショナルスクールの授業は全て英語でしたので、やはり最初は問題文を理解することすら難しかったです。初めの年は先生にたくさん質問をして、翌年の小学3年生からだんだんと英語や授業に慣れていきました。またインターナショナルスクールでの授業に慣れた後も日本の勉強を続けていたので、勉強の両立が大変でした。日本の勉強は現地の学習塾に通ってなんとか知識を補っていました。
インターナショナルスクールの勉強と日本の勉強を同時に進めていたとは頑張りましたね。ただ、その苦労がその後の学習に活きたのだと思います。それでは続いてR.Oさん、現地での学習の様子はいかがでしたか?
R.O 現地の学校で印象に残っていることは英語のライティングの授業です。同じ内容を何度も何度も繰り返し練習して知識を定着させる授業でしたので、数年たった現在でもその時の知識が残っており、テストの際役に立っています。しかしマレーシアとアメリカでの生活が長かったので日本の勉強、主に漢字は本当に苦手でした。本帰国が決まった小学6年生から受験勉強を始め、携帯電話を片手に分からない漢字をすぐに調べて勉強していました。
海外で勉強を続けていた方は日本の学習について不安に感じてしまうのでしょうね。続いて大妻中野に入学する前のお気持ちを教えていただけますか?
M.T 大妻中野に入学する前は日本語が本当に苦手でしたので不安に感じていました。本帰国後公立の小学校に通っていた頃には、友達の会話のスピードが速すぎてほとんど聞き取れていなかったくらいです。受験勉強をしていた時期には日本語の勉強も併せて進めている状況でした。大妻中野での所属コースは帰国生の多いGLC(グローバルリーダーズコース)に決まっていましたが、やはり皆日本語が上手で会話についていくのが大変なんだろうなと考えていました。しかし実際に入学をすると、私のように英語で話す方が楽だと感じている友達がたくさんいたんです。会話についていけないことに困っていたので、英語で話せる友達ができたことは本当に良かったと感じました。同じ気持ちの友達が周りにいたので日本語の勉強も頑張れましたし、現在のレベルまで成長することができたと思っています。
R.Oさんは中学1年生なので、現在はやっと1学期が終わったところですよね。入学をしてから印象に残っていることはありますか?
R.O はい、私は入学式の時に英語でスピーチをしたことが印象的です。入試時の面接担当であったネイティブの先生が私を選んでくださったそうで、入学前に突然スピーチの依頼の電話がかかってきて驚きました(笑)。入学式でスピーチをしたことによって、他のクラスの生徒からもたくさん話しかけてもらえたことは嬉しかったです。私は元々初対面の方と話すことが苦手だったのですが、大妻中野の生徒はみんな優しいので壁を感じることなく話すことができました。大妻中野の生徒は皆本当に明るく、真面目で良い人ばかりなんですよ。
楽しい学校生活が送れているようで良かったです。それでは学習面についても聞いていきましょう。海外生活が長かった皆さんですが、入学後の苦労はありましたか?
M.T 同じ国語でも漢字は問題がないのに対して、古典は本当に苦手でした。また私は数学も苦手でしたので、そういった勉強は先生方に補習をしていただいて徐々に克服していきました。
R.M 私は入学時期にコロナウイルスの流行が始まってしまい、同級生と会えないままオンラインでの授業がスタートしてしまいました。不安な気持ちで始まった授業でしたが、大妻中野では生徒全員がタブレット端末を持っているのでスムーズに授業が開始できて良かったです。またオンライン上でクラスメイトと自己紹介をしたり、先生がホームルームの時間を長めに取ってくださったので、その時間で新しい友達との交流が深められました。通常の授業が始まってからは、英単語や漢字の小テストの回数が多いことに驚きましたね。入学当初は自主学習の習慣がついていなかったので、周りの友達と差が出てしまって苦労しました。その後は学習方法を見直し、毎日コツコツと勉強を続けることで苦手意識を克服していきました。
R.O 私は入学後、苦手科目の克服に苦労しました。海外生活が長かったので日本語で書いてある問題を理解するところから難しかったのですが、まずは苦手な部分を見直して、自分に合った勉強法を探していきました。具体的にはYouTubeで授業動画を視聴して、不明点は教科書を読み、最後に問題集を解いて対策をしました。実際に問題を解くことで本当に動画の内容が理解できているかを確認するかたちです。また学校の授業やテストでも分からない点があれば先生に質問をして詳しく説明をしていただきました。先生方はいつでも丁寧に教えてくださるのでとても助かっています。
苦手科目に自ら向き合い努力をして乗り越えている姿は素敵です。今度は授業の特徴を教えていただけますか?
M.T 大妻中野はアクティブラーニング型の授業がとても多いです。英語の授業でのディベートやパワーポイントを使用したプレゼンテーションはもちろん、他教科の授業でも活発に行っているんですよ。例えば高校1年生の時に受けた日本史の授業では、グループごとに分かれて岩倉使節団などについてプレゼンテーションを行いました。また、アクティブラーニング型授業で印象に残っているのは、オンライン授業の期間中に行ったコミュニケーション英語です。Zoomを活用して皆の画面にパワーポイントを共有しながらグループでの発表を行いました。それぞれ違う場所にいながら個々に役割分担をして準備を進めていったのですが、対面時よりも皆の進捗状況がクリアになって作業がスムーズに進んだことが良かったです。打ち合わせが十分にできなかったり会議中音声が聞こえなくなってしまう場面もありましたが、良い面悪い面を含めてオンラインでしかできない貴重な経験でした。
R.M 大妻中野の授業はベトナムで通っていたインターナショナルスクールと大きな違いが無いように感じます。英語の授業では現地の学校と同じくプレゼンテーションなど発表の機会が多いです。私は発表をすることがまだあまり得意ではないですが、今後の授業で少しずつ慣れていきたいと思っています。ちなみにプレゼンテーションで使用するパワーポイントの作成はインターナショナルスクールの授業でかなり慣れていました。帰国生が多いGLC(グローバルリーダーズコース)の生徒は皆、パワーポイントの活用が上手です。
R.O 私もアメリカの現地校では毎週のようにプレゼンテーションを行っていたので、パワーポイントの作成や発表には慣れていました。毎回の授業で現地での経験を活かし、発表時の声量と事前準備の徹底を意識しています。プレゼンテーション本番は先生が一番後ろの席に座って発表を見てくださるので、その先生にしっかりと声が届くように大きな声を出すことがポイントです。また準備不足から不安な気持ちになってしまうと頼りない印象になってしまうので、事前に何度も練習をしてそらで発表ができるようにしています。発表後には先生とクラスメイトからアドバイスをもらえます。特に友達からはここが上手だった、次はこうやってもいいんじゃない?と、とても前向きなアドバイスをたくさんもらえるんです。皆真剣に発表を見てくれるので、もらったアドバイスを活かして次も頑張ろうという気持ちになれます。
とても良い授業環境ですね。それでは今話題に挙がった英語の授業についても詳しく教えていただけますか?
M.T GLCの英語はネイティブの先生が週4回、日本人の先生が週2回の計週6回の授業です。ネイティブの先生が担当してくださる授業は現地校のような雰囲気で、教科書の内容に沿って授業を進めるだけでなく、学んだ内容に関するYouTubeの動画を見たり英字新聞のコピーを読んだり、いろいろなソースを使用して進めていきます。また教科書についても実際に海外で使用されているテキストですので、内容がアカデミック且つ多くの単語が使用されています。私はアメリカの現地校に通っていましたが、それでも知らない単語が毎授業出てくるので本当に刺激的です。
R.M ネイティブの先生はとても明るくたくさんのお話をしてくださいます。1つの話題に対して大きく話を広げてくれることが多く、以前は外国人の視点から見た日本についてお話ししてくださりました。日本の電車は時間ぴったりに到着するので素晴らしいという意見には、海外生活の長い私も共感しました。また授業の中では音楽を聴いて歌詞の穴埋め問題を解く時間があります。英語の歌詞を聞き取ることは難しいですが、楽しみながらヒアリングの練習ができています。
R.O 私はGLCの英語の授業を受けてまだ数ヶ月しか経っていませんが、すでにクラスと先生の距離がとても近いので毎回楽しく授業を受けられています。先生方は本当に明るく、またおしゃべりが大好きなのでいろいろなお話が聞けるんです。例えば教科書に何か面白い写真が載っていると、そこからすぐに話が広がります。実はそのおしゃべりからも学ぶことがたくさんあって勉強になりますし、その時間のおかげで先生方との距離も一気に縮まりました。
実用的な英語が身に付きそうですね。英語力を活用できるような授業もあるのでしょうか?
M.T 高校のGLCではGIS(Global Issue Study)という大妻中野独自の科目があります。これは世界の諸問題を学んで課題を見い出し、意見交換を行うことで解決能力を鍛える授業です。GISの授業で取り扱っている内容は年度や学年、クラスなどによって変わりますが、例えば現在私のクラスではデータ分析をしています。あるデータについて分析、比較、観察を行い、データに基づいて皆で議論を行います。この授業から深く観察する力や国際的にものごとを捉える力、今起きていることを多方面の視点から見る力が身に付いたと思います。
ただ英語を勉強するだけではなく、グローバル感覚も養える取り組みなのですね。ちなみにM.Tさんは現在高校3年生ですが、進学に向けての勉強はいかがでしょうか?
M.T やはり私の学年ではTOFELやIELTSなどの資格を取るために皆一生懸命になっています。先生方は授業のほか、資格取得専用の講座を開いてサポートしてくださるんですよ。クラス全体が「皆で頑張ろう」という雰囲気なので勉強が捗ります。
R.M 資格の取得に関しては中学生も力を入れていて、私はちょうど仏語検定5級の受験を控えています。大妻中野ではフランス語の検定も受験することになっていて、クラスの皆とは卒業までに英検の準1級も取得したいと話しています。言語学習・資格取得に力を入れている点も大妻中野の大きな魅力だと思います。
クラスが一丸となっている様子が素晴らしいです。フランス語検定も受験されるとのことですが、フランス語の授業の様子はいかがですか?
R.O 中学1年生の授業では簡単な会話のフレーズなどを教わります。なお大妻中野では選択科目として高校3年生までフランス語を専攻することが可能です。フランス語の授業では学年ごとに各検定の取得目標が決まっており、フランス語を専攻している方は卒業までに仏検3級に合格することが目標と聞いています。私はまだまだ勉強中で授業の中でもどかしさを感じる瞬間もありますが、ラジオやテレビの講座を視聴して自主学習にも取り組んでいます。また友達にはフランスに留学した経験があったり、ネイティブレベルの語学力がある子もいるのでとても刺激になります。
◆各教科の取り組み 外国語科◆
学年ごとの学習ステップ、英語資格試験の取り組み状況、教科担当からのメッセージはこちらからご覧ください。
さて、今度は勉強以外の学校生活についても質問していきます。コロナ禍に入って中止になっている行事もあるかと思いますので、ここからは少し、先輩のM.Tさんから学校行事についてのお話を聞かせてください。
M.T 大妻中野の大きなイベントと言えば、やはり文化祭だと思います。昨年はコロナ禍での開催でしたので初めてのオンライン実施となりましたが、例年であれば外部の方もたくさん来校するのでとても盛り上がります。中学生は展示がメイン、高校生と各部活ではさらに企画の幅が広がります。例えばリビングアート部という部活では、作品制作の体験を行っていました。また私が所属していたING部というボランティア活動を行う部では、毎年早稲田大学の国際学生寮・WISHの学生の方々と交流をする機会があります。まずは大妻中野の文化祭にWISHの学生さんに来校していただき、その後12月には私たち大妻中野のING部がWISHに訪問して交流をする流れです。文化祭ではWISHの留学生の方へ日本の文化である着物やアニメを紹介したり、文化祭ツアーを行いました。またWISHへ訪問した時には国際色豊かな環境で社会問題についての議論やプレゼンテーションを行いました。入部する部活によっても多少体験できる内容に違いはありますが、大妻中野だからこそ経験できる外部交流はとてもおすすめです。
国内にいながらグローバルな体験ができるのですね。ちなみに海外プログラムに参加されたことはありますか?
M.T 私は中学2年生の時にカナダセミナー、中学3年と高校1年の時にはタイのチェンマイスタディツアーに参加しました。カナダセミナーへの参加は希望制で、100名以上の生徒が2週間ほどの体験学習を行いました。このセミナーではカナダの文化を学ぶことはもちろん、現地で宿泊したブリティッシュコロンビア大学の学生の方ともコミュニケーションを楽しみました。大学にはフランス語も話せる学生やフランス語の先生がいらっしゃったので、私たちGLCの生徒は授業で習ったフランス語を実践で使用することができました。少人数でフランス語を話す機会があり、同時にフランスについての学習や国歌についても学びました。当時たくさんフランス語を使用できたおかげで、ある程度会話の土台ができたと思います。カナダではその他ペアワークで街を探索したり、国境を渡ってアメリカへも少し滞在しました。懐かしいアメリカの地で美味しいハンバーガーを食べることができましたし、カナダでも初めて訪れる場所へ観光に行けたことが楽しかったです。昔カナダでオリンピックが開催された際のトーチも実際に見ることができました。全体を通して貴重な、とても楽しい体験学習でした。
アメリカで生活していたM.Tさんには思い出深い体験学習になったようですね。続いて、タイのスタディツアーはいかがでしたか?
M.T タイでは1週間強の体験学習を行い、カナダでの学習に続き本当にいろいろなことを学びました。1度も訪れたことのない東南アジアについて興味があり、タイとはどのような国なんだろうと疑問に思ったことが参加のきっかけです。体験学習はタイの文化や生活を学ぶことから始まり、現地の高校への訪問も行いました。その学校では日本語を専攻している学生の方がいらっしゃったので、一緒にディスカッションをしたりゲームをして楽しみました。その他にはタイの山岳地帯へ赴き民族や歴史についての学習をしました。その地域では教育を受けていない子どもや無国籍の子どもがおり、実際に状況を目にした時には衝撃を受けました。またさらに印象に残っていることは、ストリートチルドレンを保護して専門の施設へ連れて行ったことです。この体験学習に参加するまではタイの現状について全く知らなかったので、世界にはこんな生活を送っている子どもたちがいるという事実に大きなショックを受けました。この経験から何か自分にできることはないかと考え、所属しているING部で「制服リサイクル」という活動を始めました。これは卒業生の方から寄付をしていただいた制服を在校生に販売して、その利益をタイのストリートチルドレン保護施設に寄付する活動です。寄付をしたお金は教育環境を改善するために使用してもらっています。
素晴らしい活動ですね。高校生が考えて開始した活動とは思えません。
M.T 私自身「高校生に大きな影響力は無い」と感じる部分もあったのですが、それでも何かできることがあるということを証明したかったんです。タイのストリートチルドレンの施設に赴いた際の「この子たちの役に立てないだろうか」という思いが自分の中で大きな原動力になりました。また仲間の協力があったからこそ実現できた活動だと思います。
◆国際教育◆
グローバル教育のカリキュラム、授業内容、海外留学や研修制度についてはこちらからご覧ください。
M.Tさんの行動力と思いやりの心に感動しました。所属されていた部活動でもボランティアを行っているとのことですが、ING部について、またその他の部活動についても詳しく教えていただけますか?
M.T ING部はボランティアや模擬国連を行っている部活動で、私は中学1年生からの6年間ずっと所属していました。また中学3年生からは生徒会の役員もしています。ING部の魅力は先程お話したストリートチルドレン保護施設への寄付にも当てはまりますが、部全体として大きな問題にアプローチできる点だと思います。対して生徒会では地域の方々との関わりを大切にしており、例えばアイシティという会社と提携して、コンタクトレンズの空ケースを集めてリサイクル商品を作るという活動に携わっています。また中野区周辺の障がい者施設で作っているパウンドケーキを、私たちが文化祭で販売する活動も行っています。地域に根づいて活動をしている生徒会と地球規模の問題に取り組んでいるING部、どちらも社会貢献ができるやりがいのある活動を実施しています。
人のためになる素晴らしい部活動ですね。続いてR.Mさん、R.Oさんは部活動に所属していますか?
R.M 私は吹奏楽部に所属してフルートを演奏しています。吹奏楽部は週に5日の活動を行っており、中学生だけでも30人ほど所属しています。部の先輩はとても優しいので馴染みやすい雰囲気ですよ。私はまだコロナ禍でしか部活動を経験していないのですが、無観客の演奏会で発表をしたことが印象に残っています。
R.O 私はING部とポピュラーミュージック部の兼部をしています。実は入学前、学校のホームページを見ている時からING部の活動が気になっていたんです。私が海外で生活していた時はあまり積極的にボランティア活動に参加できていなかったので、帰国前にとても後悔をしていたんです。なので日本では何か人のためになる活動をしたい、ボランティア活動に取り組みたい、と強く思っていました。そんな中でING部を知り、自分のやりたいことにマッチしていると感じたのですぐに入部を決めました。仮入部期間には先輩方や顧問の先生からいろいろなお話を聞き、より一層興味が湧きました。M.Tさんの「制服リサイクル」の活動についてもお話を伺っていたんですよ。もう1つのポピュラーミュージック部ではバンドを組んで歌の演奏をしています。大妻中野の代表的な部活動である合唱部ではなくポピュラーミュージック部に入部した理由は、趣味として好きな歌をバンドのメンバーと歌いたかったからです。私は他のクラスの子たちとメンバーを組んだので、そこから幅広い交友関係が作れたことも良かったです。大妻中野に入学して1学期が終わるところですが、魅力のある部活動が多いことも影響して充実した学校生活を送れています。
豊富な種類の部活動があることは、海外生活が長く日本の部活動に憧れている方にも嬉しいですね。
◆クラブ活動◆
運動部・文化部のアクティブな活動内容はこちらからご覧ください。写真付きで各部活動を紹介しています。
皆さんが学校生活で1番頑張っていることは何ですか?
M.T 私は勉強です。高校3年生なので大学受験に向けての勉強も含まれますが、英語やフランス語の検定など、様々な資格を取ることにも力を入れています。勉強を頑張りたいと思い始めたのは、昨年コロナウイルスが流行し始めて自宅で過ごす時間が増えた時です。自分を変えたいと思い立ち、自主学習に力を入れ始めると次第に勉強することが楽しく感じられるようになりました。中間テストと期末テストのどちらも頑張ることができたので、高校2年生の時には1~3学期の全ての期間で成績優秀者に贈られるプリンシパル賞を受賞することができました。また資格取得のための勉強は結果が出ることに対する達成感もありますが、なにより自分の可能性が広がることが魅力的だと感じています。特に国連英検などは自分の視野が広がりますし、その他英検やTOEFL、SAT、仏検などにもチャレンジしています。
R.M 私も今1番頑張っていることは勉強です。中学生になったばかりの頃はつまらないと感じていた勉強ですが、授業中の小テストや学期ごとのテストの対策をしているうちに気持ちが変化してきたんです。入学当初は苦手だった理科もいつの間にか1番好きな教科に変わっていました。現在は英検・仏検・漢検などの検定取得や苦手教科の克服など、広範囲の勉強に力を入れています。
R.O 私は勉強の中でも特に他言語の習得に力を入れています。きっかけは大妻中野でフランス語を勉強し始めて語学に対する興味が高まったことです。現在は韓国語を勉強しており、スムーズに会話ができるようになることが目標です。またING部に入部してからボランティアの大切さを先輩方に教えていただいたので、将来はたくさんの言語を習得してグローバルに活躍し、多くの人を助けたいと考えています。
皆さん勉強を頑張っているとは素晴らしいです。帰国後に勉強意欲が湧いた方もいるようですね。
R.O 私は元々勉強が本当に苦手で、小学生の頃は「この授業は面白くないから聞きたくないな」と思って過ごしていたこともあったんです。しかし本帰国のタイミングでこれまでの反省点を改善したいと思い、中学校からは苦手な教科でもきちんと授業を聞いて、意識的に手を挙げるようにしてみたんです。そうしたら今まで何も思い浮かぶことの無かった疑問がいくつも湧いてきて、そのことを調べたり先生に質問して解決することですっきりする感覚が味わえるようになりました。自分の意識・好奇心の持ち方によって学習時の気持ちが大きく変化することを身をもって知ったので、今後の授業でも活かしていきたいと思っています。
日本への帰国は自分を変える良い機会だと捉えることもできそうですね。R.Oさんはまだ中学1年生なので、これからも大妻中野での学校生活を充実させていってください。対して高校3年生のM.Tさんは大妻中野での生活が今年で最後となります。学校生活の中で勉強以外でも頑張ったことはありますか?
M.T 大妻中野では有志団体がGood Vibesという校内の英字新聞を発行しているのですが、私は高校1年生の頃から編集に携わっていて、昨年は編集長も務めていました。現在は中高合わせて15、6名ほどで和気あいあいと活動しており、毎号季節に合ったトピックなどを自分たちで探して記事にしています。活動を通して一からテーマを決めての執筆や編集作業を行うことの楽しさに気づき、将来は英語の記事を執筆するライターになることも検討しています。また昔から教員になることにも憧れがあったので、得意科目の英語や社会、大妻中野独自の科目GIS(Global Issue Study)のいずれかを教えられる教員にもなりたいと考えています。
将来の夢がたくさんあって素敵ですね。お二人の将来の夢も教えていただけますか?
R.M 私はまだ具体的になりたい職業は決まっていませんが、やはり海外で習得した語学力を活かせるような国際的な職種に就きたいと考えています。これまでの海外経験を活かした、人と関われる仕事ができれば嬉しいです。
R.O 私は将来やりたいことがたくさんあります。現在は国際弁護士にとても興味を持っているのですが、昔からの夢はアメリカのスクールカウンセラーになることです。周りの友達の多くがスクールカウンセラーの方に悩みを相談している姿を見ていたので、とても必要な存在であると現地では感じていました。いつか私も困っている方に必要とされるような人材になりたいので、現在は全ての教科の勉強に力を入れて、多彩な力を身につけられるよう努力しています。
最後に、現在海外にいる未来の後輩へメッセージがあればお願いします。
M.T 大妻中野での学校生活を通してボランティアや外部のコンテスト、さらに趣味に関することなど、様々なことに積極的に参加することはとても大切だと感じました。経験が増えることで自分の発言・行動のメッセージ性がより強いものになるんです。面接やエッセイの説得力を上げるため、今後受験を控えている皆さんはぜひ今のうちにいろいろな挑戦をしていってください。
R.M 私は海外・帰国生の方に対して、その国と日本の両方の言語をしっかりと学んでほしいと思っています。私は以前ベトナムに住んでいましたが、当時ベトナム語をあまり勉強していなかったことに後悔しているんです。また日本へ帰国した時にも、日本語の語彙力が多いほど帰国時の不安が少なく自信が持てます。早く友達と仲良くなることもできると思うので頑張ってください。
R.O 私がとても大切だと思っていることは、海外にいるうちに好きなことを見つけて夢中になることです。また帰国前に自分とはどういう人なんだろう、と頭の中で整理してみることもいいかもしれません。自分は一体何が得意で何が苦手なのかをはっきりさせることで、勉強面・生活面に関わらず「ここを克服したい」「ここをもっと伸ばしたい」と目標を立てて自分を良くすることができます。
皆さんの実体験からのアドバイスをありがとうございました。これからも夢や目標に向かって頑張ってくださいね。