こんにちは。本日はよろしくお願いいたします。それではまず、成蹊に入学する前の海外生活について聞かせてください。K.Kさんは、2014年~2016年、日本の学年でいうと小学2年生~小学4年生まではインドネシアのジャカルタ、その後、日本に戻らず2021年、中学2年生までシンガポールに滞在していたのですよね?
K.K はい、そうです。
日本人学校に通っていましたか?それともインターナショナルスクールですか?
K.K ジャカルタ、シンガポール共に日本人学校に通いました。
学校生活で思い出に残っていることを教えてください。
K.K 印象に残っているのは、ジャカルタではインドネシア語の授業があったことです。英語の先生はネイティブの先生でした。
異文化を強く感じた出来事を教えてください。
K.K 治安の違いや、路上で生活する人の多さなどを感じました。ジャカルタでは比較的治安の良い所に住んでいたと思いますが、それでも外を歩く機会は滅多になく、どの家庭も専属のドライバーさんに来てもらって外出していました。
それでは勉強のことも聞いてみましょう。K.Kさんは海外で学習塾に通っていたと聞いています。ジャカルタでもシンガポールでも通っていたのですか?
K.K シンガポールで通い始めました。
塾に通っている友達は多かったですか?
K.K シンガポールではほとんどの生徒が通っていたと思います。放課後になると日本人学校の前にバスが来て、塾まで乗せて行ってくれました。
H.Fさんの海外生活についても教えてもらいましょう。H.Fさんは、フィジーとウガンダでの生活を経験しているのですよね。どこにある国なのか、多くの人は検索するところからだと思います。オセアニアのフィジーは3歳~小学1年生までですから、覚えていることに限りがあると思いますが、印象に残っていることを教えてください。
H.F 島国で、とても人が温かかったことを覚えています。特に子どもに対して優しい印象があります。気候の面では、首都のスバがとても蒸し暑くて、もう息もできないぐらい本当に暑かったです。
ではウガンダはどうでしょう?ウガンダはアフリカの東アフリカぐらいに位置していますよね。どういった国か私には全く想像できません。小学5年生~中学1年生まで生活していたとのことですから、思い出もたくさんあると思います。異文化を強く感じた出来事を教えてください。
H.F ウガンダは標高が高く涼しいので過ごしやすい国です。サバンナなのでサファリパークへ行くと緑豊かな国であることも感じられます。また、私もK.Kさんに近いですが、貧富の差ですね。アフリカというと貧困のイメージがあると思いますが、実際にスラム街がありました。ただ、住人みなが怖い人という訳ではなく、すごく温かく、エネルギッシュでたくましい人々の姿を覚えています。
アフリカは貧困のイメージもありますが、一方で国によってはITの進歩が目覚ましいと聞いたことがあります。Wi-Fiなどネット環境はどうでしたか?
H.F ネット環境はそれほど悪くはなかったと思いますが、携帯電話はガラケーを使用している人が多かったです。先日西アフリカのガーナへ行ったのですが、ガーナではみなさん最新のスマホを持っていました。
では勉強面についても教えてください。小学5年生からインターナショナルスクールですから、英語環境に慣れるまでに時間はかかりましたか?
H.F はい、とても苦労しました。英語が分からないので、全ての科目の先生に相談や質問をして、家での宿題に力を注いで何とかついていきました。
頑張りましたね。日本人向けの学習塾はないですよね?
H.F ないですね。日本から海外に行く人の中で、アフリカに行く人は海外赴任の1%しかいないそうで、日本人は数えるほどしか住んでいませんでした。
では受験と編入試験について聞いていきたいと思います。K.Kさんは、高校帰国生入試でいくつかの学校を受験したのですよね。成蹊を選んだ理由はずばり何ですか?
K.K 自然がたくさんあり、帰国生受け入れ制度が充実していたからですね。学校説明会に参加した時に生徒のみんなの対応が良くて、好感をもったのも決め手になりました。
自然豊かなのはここに来ると本当に感じますよね。吉祥寺が最寄り駅とは思えないです。帰国生受け入れ制度というのは具体的にはどういったことに魅かれましたか?
K.K 僕は高校の帰国生入試を経て入学していますが、中学には国際学級があり、英語のクラスがグレード別に分けられています。また帰国生も多く、受け入れ体制が充実しているなと思いました。中・高を通して帰国生ならではの経験を理解して、大事にしてくれる学校だと思います。
苦手な教科はありましたか?
K.K 数学が苦手だったので、受験対策に時間がかかりました。
苦手な数学の克服法など、これから受験を控えている後輩たちに勉強面でアドバイスがあればお願いします。
K.K 分からない所があったら後回しにしないで、学校の先生や塾の先生にすぐ聞いて、解決するのが良いと思います。
ありがとうございます。ちなみに、学校選びはどのように行いましたか?
K.K まずは帰国生入試がある学校を調べて、実際に説明会に行き、学校の雰囲気が自分に合っているかを見て選びました。
それではH.Fさんにもお聞きします。H.Fさんは、中学1年生の国際学級・9月編入試験を受験されたのですね。急な帰国だったのですか?
H.F はい、コロナ禍での緊急帰国です。
それは大変でしたね。時間のない中、どのように学校を探しましたか?
H.F 9月編入試験を実施している学校を探して、以前説明会に参加したことのある学校を3校受験しました。
その中で成蹊を選んだと。決め手は何でしたか?
H.F 自宅からの通学の利便性と受験の際に接した先生方の温かさです。国際学級があるので、少人数制で面倒見が良いこと。同じように海外経験がある仲間とインターナショナルスクールと同じような温度感で学校生活を続けられると思いました。
吉祥寺は電車が複数路線通っているので通いやすいですよね。先生方のどういった対応に温かさを感じたのですか?
H.F 面接試験でのやり取りですね。コロナ禍の緊急帰国であることを踏まえて質問してくださり、先生方の優しさを感じました。
受験準備はどのようにしましたか?
H.F JOBAの小論文オンライン講座と面接のレッスン(オンライン・グループディスカッション)を受講しました。
次に入学直後について教えてください。K.Kさんは高校からの入学ですから、K.Kさん同様、高校受験を経て入学した生徒もいれば、中学から持ち上がってきた生徒もいますよね。どこの学校でも、いわゆる高入生と内部生で多少の隔たりがあるのかなと思いますが、内部生はどんな雰囲気でしたか?
K.K 気さくな人が多く、たくさん話しかけてきてくれたので、隔たりは一切感じませんでした。
それは良かったですね。では学校生活で困ったことはありませんでしたか?
K.K 高入生か内部生かは関係なく馴染めたので、早くから楽しい学校生活を送れました。
勉強面も入学後順調でしたか?
K.K いえ、理系科目が基本的に苦手でした。数学は入学当初は高入生・内部生でクラスが分けられているのですが、内部生の授業進度に追いつくために、高入生の授業は初めのうちは進みが速く、ついていくのに必死でした。
先生方はフォローしてくださるのですか?
K.K そうですね。職員室や教室で質問すると真摯に対応してくださいます。
部活動はすぐに始めましたか?
K.K はい。男子バレーボール部に入部しました。
練習はどれぐらいの頻度で行っているのですか?
K.K 週4日ですね。ただ、それ以外で練習試合や公式試合があります。
K.Kさんは高校3年生ですが、今でも部活動は行っているのですか?
K.K はい、ただし6月初旬には引退するのであと少しです。ラグビー部やサッカー部は大会の関係で10月頃まで部活動が続く可能性があります。
バレーボール部では部長を務めているのですよね。部長としてのやりがいや、苦労していること(したこと)を教えてください。
K.K いや、もう本当に大変です(笑)。試合中にどんなに雰囲気が悪くなっても、私だけは絶対にそうなってはいけないというプレッシャーがあったり、私のプレーで試合を決めなくてはいけないと思う場面があったりします。
責任感とプレッシャーですね。大変な経験を通して成長したのではないでしょうか。H.Fさんは中学1年生の9月編入。編入ですから4月から学んでいる同級生の中に入っていったわけですね。不安はありましたか?
H.F いいえ。国際学級ですので、同じように海外で生活してきた同級生の中に入るため、特に不安はありませんでした。
やはり国際学級は安心感があるのですね。入学前の印象と入学後の印象で違ったことはありましたか?
H.F 伝統校なので、もっと校則はきびしいと思っていましたが、想像より緩やかといいますか、のびのびしていました。
それも良かったですね。国際学級は何人ぐらいで、バックグラウンドはどんな生徒がいましたか?
H.F 約15名です。生まれた時からずっとアメリカにいて日本の学校に通ったことがない人や、帰国して1年経ってから入学した人など、本当に様々です。
お互いの経験を話したりして盛り上がるのですか?
H.F はい、帰国生あるあるですね。みんなの経験をシェアし合って、「私の国ではこうだったよ」みたいな話ができて楽しかったです。
勉強面で苦労はありましたか?
H.F 数学と歴史ですね。
周りに教えてくれる友達もいると思いますが、先生方のフォローはありましたか?
H.F 先生は、「いつでも来ていいよ」と言ってくれるので、質問に行くと何でも教えてくれます。職員室がとてもアットホームな雰囲気で、先生と雑談しながら勉強する感じです。
部活動にはすぐ入りましたか?
H.F はい。ストリングス部に入りました。現在、コンサート・ミストレスを担当しています。コンミスは全てのパートのまとめ役として、指揮者とコミュニケーションを取り、演奏の指示を出します。
ストリングス部とはどういった部活ですか?
H.F バイオリン・ビオラ・チェロ・コントラバスで構成された弦楽器を演奏する部活です。
◆中学校 国際学級について◆
国際学級における目的の1つは、日本への適応教育です。海外の教育環境は日本とは大きく異なり、それゆえ帰国後の学校生活に不安を感じる帰国生も少なくありません。国際学級では、そのような不安やギャップを解消し、日本の教育に早期に適応できるように、15名という少人数で、一人ひとりきめ細かな指導を行っています。またカリキュラムも日本への早期適応をめざし、国語に重点が置かれています。また、学校行事、生徒会活動、クラブ活動などは、一般学級の生徒と共に参加します。
続いて成蹊ならではのプログラムについてお話を聞かせてください。K.Kさん、Peach.PRというグループに入っていると聞きました。どういったグループなのですか?
K.K 成蹊中高の良さを受験生にアピールする生徒有志のグループです。学校説明会のキャンパスツアーの企画から実行までを生徒が担当し、当日来場者を引率する際には、受験や校則、部活についての質問に答えたりしています。
外部の方にということですよね。そうすると、成蹊中高の良さは隅々まで頭に入っていますね(笑)。では5つほど、良いところを教えてください。
K.K まずは帰国生に合った学校であること。図書室をはじめ施設が充実していること。生徒の雰囲気が良く親しみやすくて良いこと。先生の雰囲気も良く職員室に質問しに行きやすいこと。体育祭・文化祭などの行事が大規模で充実しているところですね。ちょうどこれで5つでしょうか(笑)。
◆特色ある行事◆
中学の体育祭は5月に、高等学校の体育大会は5月と9月に開催。学年を超えてクラス対抗で競い合い、大いに楽しみます。企画や運営は生徒たちが主体となって行い、自立と自律の精神を学んでいきます。
「蹊祭(こみちさい)」は毎年秋に中高合同で開催している文化祭。自主性を育むために、生徒自身が企画して運営します。準備段階から本番まで協力しあい、手づくりのイベントを成功させることで、大きな達成感を得ています。
続いてH.Fさんにも、ぜひ教えてほしいことがあります。トビタテ!留学JAPANには学校を通じて応募されたのですか?
H.F はい。学校を通して応募し、8期生としてガーナへ3週間、医療ボランティアに行きました。
トビタテ!留学JAPANは狭き門ですよね。応募から選出されるまで、どういう流れだったのか教えてもらえますか?
H.F 1次審査(書面審査)では、「留学計画書事前準備シート」を提出しました。長文のエッセーのような計画書を何枚も書いて、先生に添削してもらいました。2次審査(面接審査)では、自分が派遣留学先で何をしたいのか、プレゼンテーションを行いました。
「留学計画書事前準備シート」において肝となるのは応募理由と留学計画の内容ですよね。どのように考えたのですか?
H.F 以前にアフリカのウガンダに在住していたことから、アフリカの医療の厳しい状況を分かったうえで、あえて医療従事者としての支援活動を希望し、実践にうつしました。
素晴らしいです。いつ行ったのですか?
H.F 高校1年生の夏休みです。
一番印象に残っていることはどんなことですか?
H.F たくさんあるので、二つ紹介してもよろしいですか?
もちろんです。お願いします。
H.F 一つが、人の生と死に立ち会ったことです。病院研修の産婦人科研修では、初めて命の誕生にも立ち会うことができ、とても感動しました。アフリカの赤ちゃんも日本と同じようにオギャーって言っていました(笑)。
全く同じ感じで?
H.F はい、衝撃的でした。一方、死産も担当したので思うところもありました。胎盤が剥離してしまい途中で取り出さなければならなかった方だったのですが、日本だと9割ぐらいの方は助かるらしいのです。でも、ガーナだとあきらめざるを得ないと言いますか、助かる見込みもないと言われたので、とても悲しくなりました。
めったにない経験をしましたね。実際に立ち会わなければわからない感覚があると思います。それではもう一つはどんなことですか?
H.F 実は現地でマラリアにかかってしまい、高熱が数日続いて大変でした。ただ、周りの仲間に助けてもらったことは、本当に心にしみました。感謝しています。
◆トビタテ!留学JAPAN H.Fさんの活動報告◆
こちらの写真は、医療の届かない貧困地域や田舎のコミュニティにアウトリーチ(医療ボランティア)をしている時の様子です。マラリアやB型肝炎などの血液検査やバイタルチェックなどを行いました。100人ほど検査をしたところ、6割の人がマラリアに感染している村もありました。・・・
K.Kさんは高校3年生ですから、大学入試に向けてまさに頑張っているところですよね。学部などは決まっていますか?
K.K はい。社会学部を考えています。
なぜそう思ったのですか?
K.K シンガポールでの生活の経験からです。シンガポールは多文化共生地域だったので、価値感の違う人たちが共生するための工夫があると感じました。それを研究して、「日本が多文化共生していくために必要なことは何か」を考えていきたいと思っています。
素晴らしいです。まずは大学入試を乗り切ってください。応援しています。それではH.Fさんも教えてください。現段階で将来の目標や仕事について考えていますか?
H.F 国際的に活躍する医師になりたいです。発展途上国の公衆衛生向上に貢献したいと思っています。
自ら医師になって直接貢献したいということですね。きっかけはトビタテ!留学 JAPANの経験からですか?
H.F はい、その通りです。
そうすると、大学は医学部ですね。ハードルは高いと思いますが、頑張ってください。もちろん、応援しています。
◆成蹊の進路指導について◆
一人ひとりの才能、個性を大きく育てるために進路指導部を設け、様々な情報を発信しながら生徒の目標の設定を支援、指導をしています。
生徒一人ひとりの希望を尊重しており、成蹊大学以外への進学を希望する生徒は、例年70%超います。医学部や芸術系の志望が多いのも特徴の一つです。様々な入試方式がありますが、それぞれの特性にあったものを、生徒自身が選択できるように情報を提供し、指導しています。
◆2025年度 成蹊中学の入試・編入試の最新情報◆
2025年度入試より、中学国際学級入試(帰国生対象 4月入学)と中学2年生帰国生編入試の試験日が変更になります。また、中学2年生帰国生編入試の応募資格が変更となります。
詳しくはこちらをご覧ください。
(2025年度入試の募集要項は2024年9月28日(土)に公開予定です)