大学受験のために、日本の高校で使用している各教科の教科書がほしいと思っています。どうしたら手に入るでしょうか。
教科書は書店での注文による取り寄せが普通で、書店に並んでいるということはまずありません(学校近くにある学校指定の書店がその学校の指定した教科書を期間限定で置いていることはありますが)。
目的が大学受験準備または(大学受験と重なりますが)高校レベルの教養の修得ということでしたら、教科書は記述が平板で簡潔すぎる(先生が授業で使うという前提で作られており、単独の読み物として考えられていない)ため、目的の達成に役立てるにはあまり適切でないかもしれません。
「教科書ガイド」という、教科書に教科書内の問題の解答や解説のついているものでしたら、4月初めの時期は書店に置いてあることがあります。こちらの方が教科書よりは若干有用だろうと思います。
教科書にこだわらずに目的に合ったものを考えますと、高校生用、大学受験用の参考書ということになります。教科書より記述が詳細ですし、体系的に見せる工夫があることや視点が明確であるための理解しやすさなどの点で、教科書より有用です。選択肢も多く、教科書と違い並べて比べることも出来るため、目的やレベルに合わせて選択できるでしょう。
もし大学受験(帰国枠)に役立てようというお考えなら、文学部、法学部、経済学部などの文系学部を受験する場合、基本的に国語(現代文)、社会の知識があれば十分です。社会も一通り視野に入れようというのであればどの教科も基礎的な理解だけで構いません。
それより、特に関心のある分野について、高校教科書レベルを離れ、新書などを読んでおく方が重要だと思います。
また、受験での小論文ということで考えると、そのための参考書というのも多く出ています。そのうち、小論文の書き方、という視点で解説したものではなく、小論文で取り上げられるトピックについて解説してあるものをお選びになるのがよいでしょう。
私としては、海外の高校で高校生らしい内容・レベルの学習を積んでこられたのであれば、日本の教科書・参考書などで改めて学び直すより、読書されるほうが、教養という意味でも日本語の定着という意味でも、はるかに有意義だと考えます。
どんな科目をどんなレベルで取っているか、授業外でも文章に触れる機会があるかなど、いくつか注意すべき点があるように思います。
2006年1月にいただいたご質問への回答