帰国子女枠大学入試は英語圏で暮らしてきた人に有利と聞き、非英語圏に住んでいる自分は、英文での小論文などの受験科目に不安を覚えています。自分の学力が現在どこらへんに位置するのかも分かりません。どのような準備をしたらよいでしょうか。
帰国枠は英語圏に住んでいた人のためのものではありません。英語圏以外の国からも同じように利用できます。
ただ、入試科目に外国語がある場合、その選択肢の中に自分が日本語以外で使える言語がないと、受験資格が認められても実際には得点できないということになります。その点では、英語圏以外の国でも、International schoolやAmerican school、British school、Canadian schoolなど英語で運営されている学校の出身であれば、特に問題を感じることなく大学選択が出来ます。
もしあなたの学校が非英語圏の現地校なら、外国語科目はその国の言語で受験したいという考えになるでしょう。例えばロシアならロシア語で。ただ、こうした場合、残念なことに外国語の選択肢にロシア語を入れている大学・学部を探すと、選択肢が少なくなってきてしまいます。
しかし、外国語が入試科目にない大学も非常に多くありますので、帰国枠を利用して数校受験することは問題なく出来ます。それに、現地の学校でも日本と同様に英語教育が行われているでしょうから、外国語を英語で受験することは不可能ではないでしょう。得点が低くても、現地の言葉での学習履歴を考慮してくれる大学はいくらもあると思います。
また、帰国枠ではなくAO入試、自己推薦入試も利用できるところがいくつもあるでしょうから、それも帰国枠と合わせて検討されるとよいでしょう。
帰国枠やAO、自己推薦では日本語での小論文作成能力が非常に重要になります。しかし、その能力がどれくらいあるかは自分ではなかなか判断できず、当然偏差値のような数値化された基準もあるわけではありません。大雑把に言って、学校での文系科目の成績がよく、文章を読んだりものを考えたりすることが苦手でなければ、小論文の力は高いかもしれません。逆の場合は、小論文作成能力は低いと予測できます。
重要なのはむしろ学校での勉強や日頃の読書などの経験ですので、まずはそれを充実させるようお勧めいたします。
2005年6月にいただいたご質問への回答