国際系、社会系に進みたいと考えていますが、どの大学の,どの学部が良いのだろうかといろいろ迷っています。みなさんどうして、「この大学だ」と進路を決めているのでしょうか。
どうしてもこの大学でなければ、と思われるほど、ある大学が他大学と違うということはなかなかありません。人に示せるような明確な志望理由というのは、たいてい大学ではなく学部学科から決まっていくものです。
その点でも迷いがあるということですが、これについてはまず、どんなことを学んでみたいのか自問自答して、改めて知らせてもらえませんか。
「国際」と名のつく学部は、国際のあとにどんな言葉がくるかで(国際政治、国際文化など)、学ぶ内容が全然違います。また、たとえば国際政治について学びたいのだとわかったら、それは実際には「国際」と名のつかない、政治経済学部政治学科や法学部政治学科でも学べる内容かもしれません。つまり「国際」にこだわる必要はないかもしれないわけです。
また、「社会科学」というのは、政治学、経済学、経営学、法学、社会学などの学問を総合した名称なので、これも「国際」同様、どんな勉強をしたいのかもう少し考えてみる必要があります。
大学卒業後の就職のことも気になるでしょうが、特に現時点で分野を考えずにただ企業に入りたいと思っているのなら、そこで必要な経済学的な理解というのはわざわざ経済学部で学ぶほどのものではありません。勘のいい高校生なら特に学ばなくともすでに理解されているようなものですし、それほどでなくても企業で働くことを意識する大学生なら4年間のうちに自然に身につくものです。
どんな学部学科で学ぶか、ということよりも、とにかく大学名にこだわりたい、というような考え方もあるでしょう。しかしこの場合でも、少数の例外を除き入試問題が学部別に作られている以上、学部との相性(特に小論文試験において)が重要になってきます。関心や適性のない学部学科を受験しても、合格は難しいでしょう。
どんな学科に適性があるかについては、実は入試に向けて小論文を書いていくことでかなり見えてくる部分があります。「大学入試模擬テスト」で小論文を見させてもらうことで、こちらからも何かアドバイスできるかもしれません。
どんな学科に関心があるかについては、まず学科を離れて、どんなことに関心があるか、高校ではどんな授業が面白かったか、またはどんな本を面白いと思ったかを考えてみてください。
2006年1月にいただいたご質問への回答