子どもが中国でインターナショナルスクール(英国式10学年)に在学中です。学校が自由すぎるため高1の9月から日本の高校に編入するか、帰国枠大学受験できるよう高3までこのまま在籍したほうが良いか、悩んでいます。本人は日本の国立大学または早慶上智への進学を希望しています。9月編入する場合にはどのような学校があり、どのような準備をしたらよいのか、また、高3で日本の志望校に合格できるようにするには今から何をしておいたほうがよいか、教えてください。
国立大および早稲田大・慶應大ということでは、資格上も合否の可能性としても、海外で卒業してくる方がよいです。まず、国立大は海外での卒業を帰国枠入試の受験資格としているところが半数以上で、帰国枠以外の入試枠となると一般入試しかない、というケースが多いからです。
また、早稲田大は帰国枠入試の受験資格として海外での卒業を必要としており、帰国枠以外では、AO入試、自己推薦入試を政治経済学部、国際教養学部、人間科学部、スポーツ科学部、理工学部で行っているだけです。
一方、慶應大は海外での卒業を帰国枠入試の受験資格としているのは文学部、理工学部、医学部、薬学部だけですが、合否は書類選考でほぼ決まり、各制度での大学入学資格試験に向けての勉強がどうであったかを評価されます(たとえばイギリスの制度で学んだ場合にはGCEでの出来が重要になります)ので、途中で日本に戻ってきてしまうと不利です。日本での編入先が慶應大に現役で何十名も進学する高校であり、そこである程度よい成績が取れなければ、合格は難しいです。ただし慶應大には、法学部、文学部、総合政策学部、環境情報学部、薬学部にAO入試・自己推薦入試があります(文学部は受験資格として評定平均4.3以上という規定があるので、編入した帰国生には厳しいですが)。
したがって、ご希望の中では、上智大だけが高校編入でも帰国枠が利用しやすく、また公募推薦入試も利用できる、唯一の大学ということになります。
日本での編入先やそこでの学校生活についてお知りになりたいとのことですが、上記の通りですので、国際教養学部への進学を希望する、など(国立大のご希望であることを考えると、この可能性はないと思いますが)限定的なご希望でなければ、編入はあまりお勧めできません。または、学芸大大泉など、帰国生が高い学校成績をとりやすい高校に編入して、公募推薦を含め上智大に的を絞る、という形になります。(もちろん、英語力が非常に高ければ、早稲田大政治経済学部、慶應大法学部に絞って勝負する、という考え方もあります)
なお、編入試験への準備としては、ICU高校、学芸大大泉、広尾学園を除き、基本的に英数国の学科試験があります(2年生で、文系・理系とコースが分かれる場合は、英国または英数となる―または3科目の試験でも実質的に2科目の出来で決まる―ことがあります)。また、桐朋女子では外国語作文か科目試験かの選択となります。
科目試験は、英語ができれば、他教科はその学校の進度に何とかついてこられる素養がありそうかを見られるのが一般的です。
Update: '09年9月26日
2008年3月にいただいたご質問への回答