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2020/12/04 号

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【高校生・大学受験生対象】
JOBA 通信 2020/12/04 号
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このメールは、JOBAの講習会を受講してくださった高校生の生徒の皆様、高校生メールマガジン購読のご登録頂きました皆様にお送りしています。

保護者の皆様におかれましては、このメールの内容をお子様にお伝えいただければ幸いです。

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目次
■ 大学受験ワンポイント情報⑰
  入試問題分析(1) 早稲田大学・小論文B

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JOBA本部校・大学受験科の石井昭彦です。

すでにニュースでご承知の通り、日本では新型コロナの感染者数が増加しています。

欧米でも感染拡大の兆しが出始めている一方で、感染者増を抑え込んでいる国があることを考えると、寒さの訪れと感染拡大を一概に結びつけることはできないでしょう。

2021年度4月入学試験を控えているみなさんは、インフルエンザと合わせCOVID-19の感染予防に努めてください。

先日、朝日新聞主催の講演会(「朝日新聞EduA 池上彰さんと考える コロナ禍、その先の教育」)にオンライン参加しました。

その中で大学のオンライン授業についての話題が取り上げられました。

オンライン授業が各大学で実施される中、リモート授業が必ずしも負の側面だけではなくメリットを持つことが大学生のアンケート調査から判明したことには興味が湧きました。

通学負担の減少などオンライン授業にもメリットはありますが、教室授業に比べ「質問がしやすい」という利点を多くの大学生が実感しているというのです。

これと関連して、今から10年前にNHK教育テレビで放映された『ハーバード白熱教室』を思い出しました。

マイケル・サンデル教授がハーバード大学の大教室で「正義」について一般講義を行う番組でしたが、教授が聴講している人とかなりフランクにやりとりする場面がとても新鮮だった記憶があります。

アメリカやヨーロッパの大学では当たり前の風景なのかもしれませんが、日本の大学で片肘をつきながら大教室の講義を受けた経験しかなかった私自身にとってはカルチャー・ショックだったのです。

大学は「勉強」ではなく「学び」の場です。その意味から言えば、学生は一方的に教わる側に立つ必要はなく、教師との積極的なやりとりから疑問を解決したりコメントを求めたりしても良いのです。

みなさんが大学進学を果たした後、充実した学びに向けたお手伝いができればと思います。

<参考資料>
NHKアーカイブス
https://www2.nhk.or.jp/archives/tv60bin/detail/index.cgi?das_id=D0009010816_00000
(2020/12/01最終閲覧)

FUJITSU JOURNAL
https://blog.global.fujitsu.com/jp/2019-10-16/01/
(2020/12/01最終閲覧)

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■ 大学受験ワンポイント情報⑰
  入試問題分析(1) 早稲田大学・小論文B

本号では、早稲田大学2021年度帰国生入試の小論文Bについて取り上げます。

<出題形式>
1500字程度の課題文(縦書き)を読み、要約と小論文を合わせて600~800字程度を書かせるという例年とほぼ同じ形式です。

<出典と要旨>
峯陽一『2100年の世界地図』岩波書店 2019年
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欧米社会では、自らの意志で移住した人たちは移住先の社会や文化に統合されるものという多文化主義の政策原理のもと、少数派である移住者を統合するための手段として多文化共生が規範化されていた。9.11事件を契機にそうした多文化共生の規範は拠所を失い、国民的な一体感を持たない多文化共生がアジア・アフリカで出現しており、自由な共存に向けた新たなガバナンスの秩序に目を向けることが求められる。

<設問>
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(1)傍線部①にある、欧米諸国の多くが採用してきた多文化主義と呼ばれる政策原理についての筆者の考えを、二百字以上、二百五十字以内で要約しなさい。
(2)傍線部②「統合を求めない多文化主義」の考えを踏まえて、それがこれからの世界においてどのような役割を果たすことができるのか、あなたの見解を四百字以上、五百字以内で述べなさい。

<解題>
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「多文化主義」「多文化共生」をアジア・アフリカの視点から論じた文章です。問題文中にはありませんが「アフレシア(アジアとアフリカの合成語)」の将来性に注目した論考です。グローバル化が進行する今日の社会では、人間の移動がこれまで以上に複雑な様相を呈しています。互いの違いを認め合い、共に生きる社会の構築は日本社会でも重要な政策課題のひとつとなっていますが、底流には欧米世界の原理が多分に認められます。「混じり合うが、結びつかない」「よそよそしい共存」をどのように理解したかを解答作成のキーとし、「自由(リベラル)」であることを第一義に将来の共存・共生を考察することが重要です。

<参考資料>
『2100年の世界地図 アフラシアの時代』岩波書店
https://www.iwanami.co.jp/book/b470993.html
(2020/12/01最終閲覧)

『思想の言葉(2018年10月号)』岩波書店
https://www.iwanami.co.jp/news/n26470.html
(2020/12/01最終閲覧)

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