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2021/06/18 号

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【JOBA 日本本部より配信】
【高校生・大学受験生対象】
JOBA 通信 2021/06/18 号
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このメールは、JOBAの講習会を受講してくださった高校生の生徒の皆様、高校生メールマガジン購読のご登録頂きました皆様にお送りしています。

保護者の皆様におかれましては、このメールの内容をお子様にお伝えいただければ幸いです。

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目次
■ 大学受験ワンポイント情報(31)
  2022年度入試に向けての準備 (9)

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前回のメルマガ(0604号)では、「上智大学の2022年度 海外就学経験者(帰国生)入学試験」の募集要項が大学ホームページに公表されたことをお伝えしました。

一時期、募集要項の公表がやや遅れ気味な感じもありましたが、この数週間で多くの大学で帰国枠募集の詳細が判明しつつあります。

判明しているのは帰国枠入試にとどまりません。

明治大学政治経済学部のグロバール入試、慶應義塾大学湘南藤沢キャンパスのAO入試など帰国生が出願可能な入試形態についても募集要項が公開されています。

出願は単なる手続きではなく、入学試験の第一歩と考えなければなりません。

とくにAO入試や自己推薦入試は、志望理由書を含め出願書類の作成に膨大な時間と?労力を要します。

早め早めに準備にとりかかり、余裕をもって出願できるよう留意してください。

※明治大学政治経済学部 2022年度グロバール型特別入試 募集要項(2021.6.1)
https://www.meiji.ac.jp/exam/reference/6t5h7p00000burkr-att/ty_youkou_22.pdf

※慶應義塾大学総合政策学部・環境情報学部 2021夏秋AO 2022年4月第1学年入学者選考 募集要項(2021.6.8)
https://www.keio.ac.jp/ja/admissions/docs/sfc_2021summer_fall_guide.pdf

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■ 大学受験ワンポイント情報(31)
  2022年度入試に向けての準備 (9)

文系学部の帰国枠入試では、一般的に日本語小論文が課されます。

教育相談でも小論文の学習方法に関する質問が多く、またオンライン授業での指導を希望される場合も少なくありません。

先ほど「一般的」と記したのは、学部や学科によっては必ずしも日本語小論文ではない試験が課されることがあるからです。

例えば上智大学海外就学経験者入試では、学科ごとに試験科目が異なります。総合人間科学部を例にとると、

教育学科…教育学の学修に必要な基礎学力の試験(90分)
心理学科…課題文に関する論述試験(90分)
社会学科…文章理解力、表現力、思考力についての試問(60分)
社会福祉学科…小論文-社会および社会福祉に関する理解力と思考力を問う試験(90分)
看護学科…小論文(60分)
※いずれも2022年度入学試験要項から抜粋

と学科ごとに対策が必要なことがおわかりになると思います。

理系学部を志望する帰国生は早い時期から高校数学の学習が必要だと折に触れお伝えしてきました。

日本の高校数学には、いわゆる理系数学と文系数学があります。

文系数学とは経済・経営・商学系統の受験に必要な数学を表します。上智大学経済学部の場合だと、

経済学科…小論文(60分) 、数学(I、II、A、B「数列」「ベクトル」) (60分)
経営学科…産業社会に関する基礎的学力試験(英語を含む)(90分)

と経済学科では数Ⅰ・数Ⅱ・数A・数Bといった文系数学が試験科目に含まれることから、高校数学をしっかりと学習することが不可欠です。

さて今回注目したいのは、経済学部のもう一つの学科・経営学科の試験問題です。

「産業社会に関する基礎学力試験(英語を含む)」からみなさんはどのような問題を想像しますか。おそらく具体的な問題をイメージできる人は少ないでしょう。

「基礎学力試験」の「基礎」とはそもそもどのような意味における「基礎なのか?」と考える人もいるでしょう。

ここで言う「基礎」とは、入学後の学びにとって大学側が求める学力を意味します。

以下、2020年度入試問題を解説します。

経営学科の帰国生入試問題は、大問3題から構成されています。

1問目は日本語の問題です。ゲーム理論で有名な経済学者・ジョン=マクミランの著書『市場を創る ? バザールからネット取引まで』から問題文を抜粋し、漢字問題・空所補充・用語説明が出題されています。

2問目は英語で、James Gilmore と B. Joseph Pine IIによる『Authenticity: What consumers really want』の英文を出所とし、和訳・3問と用語説明・1問からなります。

1問目、2問目とも市場設計や消費者行動など経営学と関連する書籍が使われている点が注目に値します。

経営学の専門知識が必要と言うよりも、むしろ抵抗感を持たず専門書の文章を読むことができ、どの程度の内容理解力があるかを問うものと考えられます。

そうは言っても、ある程度経営(management)に関連した基礎用語の知識を蓄えておけば、内容理解に有利に働くでしょう。

3問目は他ではあまり例を見ない特殊な問題です。

3?次の文章を読んで、問1~問3に答えなさい。

菓子メーカーのS社は新製品としてアイスクリームを売り出すことにした。
S社は自社店舗であるA店もしくはB店のどちらかでアイスクリー ムを販売する予定であるが、
どちらの店舗で販売するかを決定する前に、A店とB店での売れ行きを比較するための実験を2回行った。

1回目の実験(日曜)では A店に1000個置き6割が売れ、B店には200個置き9割が売れた。

2日目の実験(水曜)では A店に200個置き1割が売れ、B店には1000個置き3割が売れ
た。

なお、A店は住宅街にあり、B店は駅前にある。

問1 上記の2回の実験の結果より、想定される購買者像を考えなさい。
問2 売上個数を伸ばすことを目的とすると、A店もしくはB店のどちらの店舗で販売をしたらいいだろうか。
結論を導き出すための過程を計算過程を含めてわかるように述べなさい。
問3 S社は販売するアイスクリ ー ムが美味しいかどうかを調べるために、アイスクリー ムを男女100 名ずつ合計200名に食べてもらい、
美味しかったかどうかを5段階(「とても美味しい」が5~「とても美味しくない」が1)で評価してもらうアンケート調査を実施した。

表l(省略)はその結果をまとめたものである。①から⑦に入る数値を書きなさい。

あえて教科別に分類すれば、一応は数学的知識を問うものと言えます。

とくに3問目は、一見すればパズル問題にも見えなくありませんが、相対度数を確率変数として捉え、期待値を求められるかどうかが鍵になる問題と言えます。

日本語・英語の問題と異なり3問目は年度ごとに出題パターンが異なります。2018年度ではベン図の作成からド・モルガンの法則を用いて個数を導き出す、2019年度では平均値、モード、メジアン、分散、標準偏差などの統計の基本的計算と合わせ数列の総和に関する知識が必要となります。

受験生が実際にどの程度正解を導き出せているかは不明ですが、対策がたてにくい問題と言えるでしょう。

高校2年生までの数学の基本的な学習を前提に、SPI能力適正検査の非言語分野の問題に取り組むことで類似の問題に慣れておくことができます。

大学入試ではありませんが、慶應義塾湘南藤沢(SFC)高等部の国語問題にコンビニエンスストアの立地条件を記述した説明文読解が出題されたことがあります。実学を重んじる校風をもつSFC附属校校ならではの問題と言えます。

すでに過去問題に取り組んでいる受験生も少なくないと思います。

日本語小論文も学部や学科ごとに問題傾向が異なりそれに合わせた対策が必要ですが、学科試験であっても過去問題から傾向を読み取り、求められる学力を確実に身につけるよう学習を積み重ねてください。

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