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2021/11/05 号

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【JOBA 日本本部より配信】
【高校生・大学受験生対象】
JOBA 通信 2021/11/05 号
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このメールは、JOBAの講習会を受講してくださった高校生の生徒の皆様、高校生メールマガジン購読のご登録頂きました皆様にお送りしています。

保護者の皆様におかれましては、このメールの内容をお子様にお伝えいただければ幸いです。

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目次
■ 大学受験ワンポイント情報(40)
  帰国生にとっての学部学科選び 文系数学

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最近、ある学校の説明会で「VUCA(ブーカ)時代」という用語が取り上げられました。

1990年代の軍事用語に端を発するこの言葉は、V(Volatility:変動性)・U(Uncertainty:不確実性)・C(Complexity:複雑性)・A(Ambiguity:曖昧性)の頭文字をとったアクロニムです。

その後ビジネス界で盛んに使われるようになりし、最近は教育界にも浸透し始めています。

未来が不確実であり、予測困難であることは何も今日に限った特徴ではありません。経済学者のジョン・ケネス・ガルブレイスが著した『不確実性の時代』が日本語版で出版されたのは1978年のことです。

しかしその後のさまざまな変化(ITの急速な発展やグローバル化の多面的波及、さらに昨今における新型コロナウイルスの影響)は、まさにVUCAを現実そのものとして私たちに実感させるものとなっています。

教育界では文部科学省がOECD(経済協力開発機構)のEducation 2030プロジェクトをふまえたVUCA時代における教育のあり方を提言しています。

教育の現場はこれからの時代に必要な課題を解決するための学力(あるいは能力)を身につける場を提供できるのか、それとも教育では解決することができないのか。

小中学校や高等学校、そして大学は、まさに前者の立場に立ったさまざまな改革や取り組みを進行中と言ってよいでしょう。

求められる学力と言ってもすべてが新しいものではありません。前述の文部科学省の中間報告では、VUCA時代にあっても「読解力と数学力」が依然として重要な学力であることが指摘されています。

国内・海外を問わず、これから大学を目指す高校生のみなさんは、現在そして近未来に目を向けるとともに大学生に相応の基礎学力の一つとして数学が重要視されていると考えてください。

参考URL https://www.oecd.org/education/2030-project/about/documents/OECD-Education-2030-Position-Paper_Japanese.pdf(最終閲覧日 2021年10月25日)

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■ 大学受験ワンポイント情報(40)
  帰国生にとっての学部学科選び 文系数学

前号のメルマガでは、大学進学の際に使われる「文系」「理系」の枠を超えた文理融合の学部学科を紹介しました。

今回は帰国生入試における文系数学について取り上げます。

数学と言うとどうしても理系のイメージが強いですが、文系でも数学重視の傾向が強まっています。

例えば、経済産業省が主催した意見交換会レポートの表紙には、次の文言が掲載されています。

「第四次産業革命を主導し、さらにその限界すら超えて先に進むために、どうしても欠かすことのできない科学が、三つある。
それは、第一に数学、第二に数学、そして第三に数学である!」

一般入試(一般選抜)では早稲田大学政治経済学部が2021年度から、数学を必須科目に変更したことは記憶に新しいです。

同学部は、共通テストと総合問題の合計得点で合否が判定され、共通テストの必須科目には数I・数Aが含まれています。

総合問題(独自問題)は日本語と英語の長文を読み取る形式で、日英どちらかの文章に多数の資料(図表やグラフ)が含まれている点が特徴です。

共通テストとは言え数学が必須になったことは、社会の変化にともない文系学部でも数理知識が求められている一つの証左と言えるでしょう。

また総合問題では、知識はあくまで読解の前提に過ぎず、考える力と表現する力のあり様が得点に直結する内容と言えます。

文系学部の中でも、経済・経営・商の3系統は数学を選択科目に含める大学が少なくありません。一部とはいえ、数学を必須にする潮流は今後他大学に波及する可能性があります。

帰国枠入試では、早稲田大学商学部や上智大学経済学部の帰国枠入試で数学が必須であることは周知の通りです。

出題範囲はどちらの大学も数I・数A・数II・数Bで、問題レベルは早稲田大学の方が上智大学よりも難度が高くなります。

経済・経営・商以外では、教育学部の数学科を志望する場合に高校数学が必須になります(例えば、東京学芸大学帰国生入試の試験科目は数I・数A・数II・数B・数III)。

日本語小論文と異なり、数学は海外の学校でも学習する科目であり、また学習内容や学習単元の多くが重複することから、受験対策が後回しにされることがあるようです。

とは言え、ふだん海外高校のmathしか学習機会がないみなさんは、日本の高校数学に早くから慣れるとともに、志望校によっては一般入試と同じレベルまで学力を向上させる必要があります。

参考書や問題集を使った自学も効果的ですが、体系的な知識の定着や実践力を身につけるためには双方向的な学習の方が効果が高いと言えるでしょう。できれば早い段階から数学に取り組むことを推奨します。

参考URL https://www.meti.go.jp/shingikai/economy/risukei_jinzai/pdf/20190326a_report.pdf(最終閲覧日 2021年11月1日)

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