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2022/06/03 号

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【JOBA 日本本部より配信】
【高校生・大学受験生対象】
JOBA 通信 2022/06/03 号
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このメールは、JOBAの講習会を受講してくださった高校生の生徒の皆様、高校生メールマガジン購読のご登録頂きました皆様にお送りしています。

保護者の皆様におかれましては、このメールの内容をお子様にお伝えいただければ幸いです。

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目次
■ 大学受験ワンポイント情報(53)
  慶應義塾大学・参考小論文

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前々号のメルマガ(5月6日号)では「未公表」と記載した慶應義塾大学や上智大学で次々と2023年度帰国生入試要項が公表されました。

受験生のみなさんにとっては、ようやく本格的な出願準備が始動できることになります。

受験勉強と言うと、試験科目にだけ注意して取り組む人がいます。

科目の勉強は確かに大切ですが、この時期にもっとも傾注すべきことは<出願>です。

出願要件に少しでも不安があれば、あれこれ考えずに大学の入試事務室にメールや電話で問い合わせしてください。要項の記載内容に疑問点や不明点がある場合も同じです。

JOBAで指導してきた受験生の中にも、大学と直接連絡することに躊躇を覚える生徒がいます。

口を酸っぱくして「問い合わせすること」を伝えていても、最後まで自分の判断で動いてしまい、その結果として出願資格が得られず受験できなかったケースもあります。

入試での不合格はショックですが、受験票が送られてこないことはそれ以上の精神的ダメージを受けます。

中学入試や高校入試と違い、大学入試は自分自身でするべきことが多いと思います。

入試事務室への初めての質問は緊張するかもしれません。

「聞くは一時(いっとき)の恥、聞かぬは一生の恥」という諺(ことわざ)があります。

当事者意識をしっかりと持ち、まずは出願を無事に済ませてください。

参考URL

・2023年度上智大学入学試験要項 海外就学経験者(帰国生)入学試験:https://www.sophia.ac.jp/jpn/admissions/gakubu_ad/itd24t0000004ahy-att/2023kikoku_application_proc.pdf(最終閲覧日:2022年5月23日)
・慶應義塾大学2022/2023年度 帰国生対象入学試験募集要項:https://www.keio.ac.jp/ja/admissions/docs/kikoku_youkou.pdf(最終閲覧日:2022年5月30日)

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■ 大学受験ワンポイント情報(53)
  慶應義塾大学・参考小論文

冒頭のあいさつ文でも記した通り、2023年度入試要項が公表され始めています。

慶應義塾大学の入学試験要項には、医学部の課題論文と薬学部の小論文を除く学部の参考小論文や論述試験(前年度試験問題)が掲載されています。

今回はそのなかから、商学部と看護医療学部の問題をとりあげ、アドバイスをしたいと思います。

<商学部>昨年度実施の参考小論文
日本社会における男女格差は世界的に見て大きいと言われている。その是正対策としてあらかじめ役員や議員の男女比率・人数などを決めておくクォータ制がある。
賛成意見もあるが反対意見もあり、日本での導入は進んでいない。あなたの海外経験を基にクォータ制の是非に関して論じなさい。(800字以内)

前年度の消費税からテーマこそ変わったものの、いくつかの共通点があります。

その一つが海外経験です。

「あなたの海外経験を基に(2022年度)」「あなたの海外経験を比較対象とし(2021年度)」と帰国生ならではの生活経験を意識した説明が求められています。

もう一つは論じ方です。

「是非に関して論じなさい(2022年度)」「メリット・デメリットに関して論じなさい(2021年度)」いわゆる物事を一面的にではなく両面からみた論点が必要となります。

男女格差については、SDGsの5番目(ジェンダー平等の実現)や10番目(人や国の不平等をなくす)とも関連する小論文の主要テーマと言えます。

小論文の学習を進めている高校生のみなさんは、このテーマで一度は文章を作成した経験をもつはずです。

クォータ制については、さまざまな差別を積極的に解消する試みである「アファーマティブ・アクション」を発展させた制度として論じることが可能です。

コロナ禍で高い評価を得たドイツのメルケル前首相やニュージーランドのアーダーン現首相、昨今ではNATO加盟で耳目を集めたフィンランドのマリン首相やスウェーデンのアンデション首相が女性であることは周知の通りです。

ダボス会議で知られる世界経済フォーラム(WEF)が毎年発表する男女格差に関する報告書も重要な資料となります。

世界的な潮流をふまえた上で、滞在国における男女格差やジェンダー不平等をどの程度意識しているかが問われると言えるでしょう。

<看護医療学部>昨年度実施の参考小論文
新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大を予防するため、大学ではオンラインの授業が増えたり、課外活動が制約されています。このことにより、学生の孤立・孤独が
増大し、うつ的な傾向になったり、学業に集中できないなどの弊害が起こっています。このような状況下において、意欲的に学生生活を過ごしていくためには、どうしたら
よいと考えますか。500字以内で述べなさい。

前年から引き続き、新型コロナ(COVID-19)に関連した出題です(2021年度は、海外に比べ日本ではいわゆる「コロナ感染に関する自己責任論」が顕著である点について考えを述べる問題でした)。

与えられたテーマについて、「あなたの考えを述べなさい」という点では共通しています。

こうした問題(考えを述べる問題)では問われているテーマを明確に把握する必要があります。2021年度で言えば、「自己責任論」それ自体ではなく、「日本では自己責任と考える人が相対的に多い」点について、その理由や背景を論述する技量が求められています。

2022年度で言えば、「学生の孤立や孤独、うつ的な傾向、学業への集中力低下」はあくまで弊害の例であり、述べるべきポイントは「意欲的な学生生活を送る」ための意見提示にあります。

「意欲的な学生生活」とはどのような学生生活であるかを明確に示すことができないと、単なるオンライン授業否定論になってしまう可能性があります。

北半球のみなさんは、卒業式が終わり、試験帰国に時期に入る頃だと思います。

帰国後は一度、大学(受験校)に足を運び、問題用紙や解答用紙の現物を見るようにしてください(大学によっては閲覧不可の学校もあります)。

現物を見ることで、一層、やる気が出てくるはずです。

参考URL:上記、慶應義塾大学の入学試験要項に昨年度の参考小論文・論述試験が掲載されています。

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