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【JOBA 日本本部より配信】
【高校生・大学受験生対象】
JOBA 通信 2024/2/16 号
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目次
■ 大学受験ワンポイント情報(90)
学部学科選びのアドバイス:医学部を志望する場合
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大学選びというとどうしても東京を中心とした首都圏に目が向きがちですが、近畿圏の大学を志望する海外高校生が多いことも事実です。
2022年4月に市立大学と府立大学が統合して誕生した大阪公立大学も帰国生に人気がある大学の一つです。
11の学部と1学域をもつ総合大学で、理系学部が充実していることでも知られています。
帰国生入試を実施しているのは、現代システム学域・文学部・理学部・農学部・獣医学部です。
獣医学部はもともと設置大学数が限られていて、また帰国生入試をしている大学数が少ないことから将来獣医師を目指す高校生にとっては憧れの大学の一つであると言えるでしょう。
その大阪公立大学について、先日、2つの新構想が発表されました。
1.2027年度から段階的に秋入学を実施する
2.将来的に大学の公用語を英語にする
ことです。秋入学については、段階的導入から全面移行も視野に含まれていて、この先の動向が注目されます。
日本社会のグローバル化を推進するためには、さまざまな変化や取り組みが必要です。秋入学や英語公用化もその一つです。
とは言え、これまでも数度にわたり議論されながら世界では少数派である4月入学を固持してきた経緯を考えると秋入学移行への道のりは険しいかもしれません。
高校教育の無償化を始め革新的な取り組みをしている大阪府の動きが、教育界の維新に繋がるのかが注目されます。
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■ 大学受験ワンポイント情報(90)
学部学科選びのアドバイス:医学部を志望する場合
前回の教員養成系に続き、今号では学部学科選びのアドバイスとして医学部を取り上げます。
(以下、2022年3月18日号の記事を一部修正しました。)
大学進学の最難関学部が医学部であることは論をまたないでしょう。
令和元年度の文部科学省資料によれば、日本国内で医学部を設置する大学数は国公立と私立を合わせ81大学あります(防衛医科大学校を除く)。
81大学の入学定員総数は9430人ですから、全大学入学定員(約62万人)と比べれば医学部がいかに狭き門であるかがイメージできると思います。
他学部と同様、帰国枠入試を設置している大学医学部や医科大学は少なくありません。
近年では外国学校に限らず、国際バカロレア入試を実施している医学部もあります。
帰国枠で医学部進学を目指すには、国内高校生と同じ受験準備が必要で高度な学力が求められます。
学科試験では、数学と理科2科目を必須とするケースが一般的です。
また外部英語試験のスコア提や英文での志望理由書を提出するケースもあります。
順天堂大学医学部のように、1次試験で日本語小論文や面接を受験し合格した後、2次試験として大学入学共通テスト(5教科)を受験する場合もあります。
共通テストの問題は各大学が実施する筆記試験と比較すれば難度は下がりますが、それでも海外高校生には大きな負担となります。
浜松医科大学(海外教育プログラム特別入試)のような例外を除くと、学科試験が課されない医学部受験はほとんどありません。
帰国生入試と異なり、国際バカロレア入試では学科試験を課さない大学が複数あります。
先ほど取り上げた順天堂大学医学部では帰国生入試とは別に国際バカロレア入試を実施していて、以下の要件を満たせば2次試験(大学入学共通テスト)が免除されます。
1.国際バカロレア ディプロマ・プログラムの最終成績が40点以上であること
2.科学のうち物理・化学・生物から2科目を履修し、そのうち1科目をHigher Levelで履修していること
3.数学(Math Analysis または Math Application)をStandard LevelまたはHigher Levelで履修していること
国際バカロレア入試の先駆けである岡山大学医学部では学科試験を課さず、面接の結果と書類審査(成績証明書、自己推薦書、評価書)の総合評価で合否を判定します。
東北大学や横浜市立大学の国際バカロレア入試も岡山大学と同様に学科試験は課さず、IBDPの最終成績と面接や小論文で判定されます。
ここまで書くともしかして国際バカロレア入試で受験すれば医学部合格はそこまで難しくないのでは?とも思う人がいるかもしれません。
学科試験の有無という点だけみれば帰国生入試に比べ負担は少なく、学校成績を確保することに集中すれば合格が勝ち取れる可能性が高まると言えます。
しかし募集人員は少なく、過去の入試結果でも合格者が0名の年度もあります。医学部が求めるハードルは想像以上に高いのです。
大学進学に際して「大志を抱く」ことは大切なことです。
医学部を目指すのであれば、<大志>だけでは合格は勝ち取れません。
帰国枠入試に必要な学校成績や外部英語試験スコアに磨きをかけるとともに科目試験の準備を念入りに進めること、さらに国内高校生と同様の小論文や面接の対策が必要です。