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2024/4/5号

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【JOBA 日本本部より配信】
【高校生・大学受験生対象】
JOBA 通信 2024/4/5 号
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目次
■ 大学受験ワンポイント情報(93)
  高校編入学について(1)

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4月に入り、2025年度入試に向けた大学や学部・学科の新増設に関するニュースを多く目にするようになりました。

大きな目玉はやはり東京工業大学と東京医科歯科大学が統合して新設される東京科学大学です。

入試情報は今後の公表を待たなければなりませんが、さまざまな面で新しい試みがなされる期待感があります。

新増設とは別にここ最近の入試変更点に関する話題の一つが理工系の入試で採用されている「女子枠」です。

今回のあいさつ文では、読者のみなさんにこの「女子枠」と関連した小論文素材を提供したいと思います。出典は、朝日デジタル2024年1月6日11時30分の配信記事(急増する「女子枠」 キャンパスの多様性へ「同じやり方では…」)です。

<ここから>

入試に「女子枠」を設ける大学が急増している。国公立大で、現在の1年生が受けた入試で「女子枠」があったのは5大学だったが、今春入学者向け入試では14大学と3倍近くに。

朝日新聞と河合塾が昨夏に行った共同調査では、女子学生を増やしたいと考える大学は4割を超えており、女子学生を増やす動きは今後も加速しそうだ。

<新設の東工大「男子学生にも意味」>

文部科学省によると、今年4月の入学者向け入試で新たに女子枠を設置するのは、東京工業大や琉球大など国公立9大学。すべて理工系の大学や学部だった。

23年度の学校基本調査によると、日本の大学生の女性比率は46%。しかし、学問分野によって、その比率は大きく異なる。

人文科学系では60%を超えるが、理学は28%、工学は16%と、特に理工系では低くなっている。

世界的にみても、日本では理工系に進学する女性は少なく、経済協力開発機構(OECD)によると、女性の大学入学者のうち理工系に進学した女性は7%(19年)で、OECD諸国平均15%を大幅に下回った。

これまでの研究では、多様性のあるチームの方が高い成果を上げることが知られている。

日本政策投資銀行は16年、女性が開発に関わった場合の特許の経済価値は、男性だけのチームよりも約1・4倍高い、との論考を発表している。

女子枠を設置する東工大は、これまでも女子学生を増やそうと講演会や高校訪問などをしてきた。だが、井村順一理事・副学長によると、女子学生比率はほぼ横ばい。

「同じやり方ではもうどうしようもない。多様性があるキャンパスで学べる意味は、男子学生にもある」

東工大の学部段階の女性比率は約13%。女子枠設置で20%超を見込む。

<4割が女子学生増に前向き>

女子学生を増やす動きは、朝日新聞と河合塾の共同調査「ひらく 日本の大学」でも明らかになった。

調査は昨年6~8月に778大学に行い、643大学(83%)から回答を得た。

学部学生の女性割合について学長に聞いたところ、「全体的に増やしたい」が23%、「割合が低い学部は増やしたい」が20%だった。増やしたいと考える大学が43%となり、「現状維持」(36%)を上回った。

増やしたいと回答した大学のうち、入試での女子枠の設置を「実施中または実施を決めた」と回答したのは38大学。内訳は、国立16校、公立3校、私立19校だった。

<産業界のニーズも>

女子学生を増やしたい理由を聞くと、特に理工系の大学や学部で危機感がにじんでいた。

学部の女子学生比率が約1割の北見工業大(北海道)は「ジェンダーバランスの極端さを解消することによって、学修環境の多様性を確保したい」。芝浦工業大(東京)は「社会が発展するために、ダイバーシティーの推進が必須」と回答した。

産業界のニーズも後押しする。

新潟工科大は「企業からも女性技術者の採用ニーズが高まってきている」と回答。宮崎大は「全国的に理工系の知識や技能を習得した女性の輩出が、企業や社会から多く求められている」と説明した。

政府も、理工系学部での女子学生の少なさに危機感を持つ。

2022年5月に教育未来創造会議(議長=岸田文雄首相)が出した第1次提言では、「大学でのジェンダーパリティ(ジェンダー公正)をさらに進めていくことが必要」と指摘。

女子学生で理工系を専攻する学生を、32年ごろまでに3割程度まで増やす目標を掲げている。

<社会科学系の大学・学部でも>

男女比率の是正は、理系学部だけの問題ではない。23年度の学校基本調査によると、女子学生比率が低いのは理学(28%)や工学(16%)のほか、社会科学系(37%)もある。共同調査でも、女子学生を増やしたいと回答した大学には、社会科学系の学部を持つ大学もあった。

社会科学系の総合大学である一橋大(東京)は、「学部の女子学生比率は約30%と決して高いとは言えないのが現状である。ジェンダーギャップの改善、ダイバーシティー促進から女子学生比率の向上を目指している」と回答。商学部や法学部が中心の中央学院大(千葉県)は、女性比率が2割以下という。女子学生を増やしたい理由に、「多様な学生が集まっている方がキャンパスにより活気が生まれるように感じられる」と答えた。

経済経営学部のみを持つ嘉悦大(東京)は、商学や経済学を学ぶ女子学生を応援しようと、総合型選抜で、入学金と授業料の一部を免除する女子学生対象の入試を、今年度入試から始めている。

<「なぜ理系に女性が少ないのか」の著書がある東京大の横山広美教授(科学技術社会論)の話>

10年ほど前にいくつかの大学が女子枠をつくり、批判を浴びた状況とは、社会の雰囲気が変わりつつある。しかし、以前から指摘され懸念するのが、女子枠がもたらすスティグマ(偏見による差別)だ。

女子枠の試験は、一般入試と異なるので別評価が可能である一方、難易度は低いであろうという「臆測」がつきまとう。これは、女性というだけでハードルを下げていると批判を呼び、「女性は理系ができない」という間違った思い込みを助長しかねない。女性は理系の能力も高いことを伝え、間違った社会認識を正していく必要があるのに、女子枠は逆の効果、つまり女性の能力が足りないという認識を社会に植え付けかねない。

日本の女性の学力は高い。世界各国の15歳を対象とする22年の学習到達度調査(PISA)で、日本の女子生徒の「数学的リテラシー」や「科学的リテラシー」の平均点は、英米の男子生徒より高かった。日本の男子生徒との差もほとんどない。にもかかわらず、大学で理系に進学する女性は少ない。

なぜ大学は理工系の女性を増やす必要があるのだろうか。それが社会のイノベーションを進めることにつながるから、ジェンダー平等を促進するからと信じるのであればなおさら、女子学生の力を思う存分発揮させる心理的な応援がもっとも重要であろう。必要なのは「女性ならではの視点」ではない、多様な能力だ。理系を志す女子生徒は様々な場面でその意向をくじけさせられている。興味を引き出し自信を持たせる支援こそ必要だ。

<ここまで>

少し長めですの記事ですが、みなさんはどのような読後感を持ちましたか。

また「女子枠」に付随するメリットやデメリットを把握できましたか。

さらにあなた自身は、こうした社会の動きをどうのように評価しますか。

ジェンダー・ギャップは大学入試小論文の中心的テーマの一つです。身近な素材の一つとして、ぜひご利用ください。

参考URL:https://digital.asahi.com/articles/ASS156HGFRC2UTIL02K.html(最終閲覧日:2024年3月30日、本記事は有料会員です)

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■ 大学受験ワンポイント情報(93)
  高校編入学について(1)

海外高校生の中には、さまざまな事情から高校卒業前に本帰国するケースがあります。

JOBA教育相談でも、途中帰国に関する質問や相談が少なくありません。

本メルマガは主に大学受験に関する情報やアドバイスをご提供していますが、今号と次号では高校課程の途中で本帰国する場合を取り上げます。

ご存知の通り、日本では高等学校は義務教育ではありません。

都道府県・市町村には数多くの公立高校がありますが、入学・転編入するためには検査や試験を受け合格しなければなりません。

公立高校に限らず国立高校や私立高校でも同様です。

大学受験資格には高校卒業が出願条件となりますから、高校途中で帰国する場合、日本の高校に編入学することが必須となります。

JOBAでは、「海外・帰国生のための受験・情報サイト JOBA On Line(下記URL)」で転編入情報を随時更新しています。

https://www.jolnet.com/transfer/

海外からの本帰国にともなう高校編入について、以下、いくつか注意点をあげておきます。

・受験資格について

日本の高校に編入するためには、海外の学校の在籍年数が一定以上であることに加えて、編入学年によって、受験資格が異なります。

高校1年生編入:現地校及びインターナショナルスクールにおいて、Grade9またはYear10以上を試験日までに修了
高校2年生編入:現地校及びインターナショナルスクールにおいて、Grade10またはYear11以上を試験日までに修了
高校3年生編入:現地校及びインターナショナルスクールにおいて、Grade11またはYear12以上を試験日までに修了

上記はあくまで一般的な基準となります。入学試験と同様、編入学試験においても受験資格は大切な要件となります。少しでも疑問があれば、必ず高校または教育委員会に問い合わせが必要です。

・編入時期について

高校編入試験の時期をあらかじめ定めている学校と、帰国時期に合わせて編入試験の時期や方法を決定する学校があります。行きたい学校が時期を定めているのか、定めていないのは早いうちに確認しておきましょう。

・試験科目について

一般生徒と同様の対応をする学校は、基本的に編入時期の各学校の既習範囲の英語・国語・数学が編入試験科目となります。帰国生に対して特別な対応をとる学校では、海外在籍校での学校成績や習得した語学力を中心に合否を判定します。

編入学試験は突然の帰国(急な辞令や滞在国の政情変化などによる帰国)を契機に受験しなければならない場合があります。大学受験資格(高校卒業資格)を得ることだけを考えれば、通信制高校や高等学校卒業程度認定試験も選択肢の一つかもしれません。

しかしながら勉強に加えて部活動や学校生活という面から言えば、帰国生受け入れ校に編入する=行きたい高校を選ぶことが大きな意味を持ちます。

学校選びや編入試験対策の学習について疑問や不安があれば、ぜひJOBAにご相談ください。

<JOBA無料教育相談>
https://www.joba.jp/consultation/consultation_01.php

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