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2024/5/3号

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【JOBA 日本本部より配信】
【高校生・大学受験生対象】
JOBA 通信 2024/5/3 号
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目次
■ 大学受験ワンポイント情報(95)
  2024年度入試結果(上智大学)

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大型連休に入る少し前、東京科学大学の理念とロゴマークがホームページ上で公開されました。

2025年度入試の募集要項は未公表ですが、前身である東京医科歯科大学では帰国生入試やIB入試を採用していたことから、これらの入試方式が新大学になっても継続するかは注目点と言えます。

大学入試に関する注目点と言えば、本メルマガでも取り上げている「女子枠」が2025年度以降も広がる動きがあります。

大学入試における「女子枠」は、2022年に文部科学省が「多様な背景を持った者を対象とする選抜」の中で「理工系分野における女子」に言及したことに起因します。

大学が多様性を求める動きはけして今に始まったことではありません。帰国生や外国人学生を対象とした選抜方法の採用もその一つであるからです。

それが今日ではジェンダーに傾注したかたちで、「女子枠」を主軸に多様性実現を求める動きとなっていると見ることができるでしょう。

日本の大学入試では文部科学省によってガイドライン(大学入学者選抜実施要項)が毎年出されます。

その中に入試方法に関する通告があり、そこには「一般入試のほか、各大学の判断により、入学定員の一部について、多様な入試方法を以下のように工夫することが望ましい」と記載され、工夫の一つとして「帰国生徒選抜・社会人選抜」が取り上げられています。

読者のみなさんの中には、「なぜ帰国生の入試日程が他の選抜方法に比べ早いのか」「日本語小論文や面接を実施する大学が多いのか」疑問を持たれる人がいるかもしれません。

しかし先ほどのガイドライン(実施要項)には入試日程について、

一般入試の日程(試験実施期間)は明記されていますが、帰国生徒の選抜はそれに「よることを要しない」と記されています。また入試科目についても、

「外国における教育事情の違いに鑑み、学力検査の免除または負担の軽減を図り、小論文・面接、資格、検定試験等の成績、その他大学が適当と認める資料を適切に組み合わせて評価・判定することが望ましい」となっています。

大学入試に中で帰国生徒(帰国子女)入試が制度化されたのは1982年以降と言われています。すでに40年以上が経過し海外での生活環境を含め社会全体が大きく変化している中で、帰国生入試のありかた自体も「かつての救済策としての特別入試」から「海外経験や国際感覚、高度な語学力の評価・判定」を評価する方向に変わってきました。

つまり昨今の帰国生入試は、海外就学経験を持つ帰国生に大学がどのような資質や学力を求めているかをしっかり明示した上で実施されていると考えて欲しいのです。

それを知る資料の一つが「アドミッション・ポリシー」です。アドミッション・ポリシーは募集要項や受験生用ホームページに入試形態ごとに表記されています。

余裕があれば「カリキュラム・ポリシー」や「ディプロマ・ポリシー」にもしっかりと目を通し、大学が求める帰国生像を把握することをお勧めします。

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■ 大学受験ワンポイント情報(95)
  2024年度入試結果(上智大学)

今号では上智大学のホームページに掲載の「特別入学試験 入試統計」から帰国生入試(海外就学経験者入試)の動向を読み解きます。

まず初めに過去5年間の志願者数と合格者数の推移を辿ります。

2024年度:志願者491、合格者138
2023年度:志願者547、合格者149
2022年度:志願者639、合格者198
2021年度:志願者543、合格者179
2020年度:志願者652、合格者207

志願者や合格者の人数はそれだけでは入試難易度の目安になりませんので、入試倍率(志願者数を合格者数で割った数値、小数第二位切り捨て)を見てみると2024年度から順に3.5倍、3.6倍、3.2倍、3.0倍、3.1倍となっています。

過去5年間(そのうち新型コロナの感染拡大と重なる時期は2021年度・2022年度)では、2020年度を頂点とし500~600台であった志願者数が2024年度は500名を下回っている点が目を引きます。

これだけで上智大学の人気度が下がったとは言い難いですが、一つ気になる点は男女の志願者数です。

入試統計は男女別に数字が記されていて、男子の志願者数は2023年度が255名で2024年度が209名の56人減、それに対して女子の志願者数は2023年度が292名で2024年度が282名の10人減と男女による減少幅に違いがあります。

上智大学は首都圏上位大学の中では男子に比べ女子が多い大学ですから帰国生入試でも男女差があるのは当たり前かもしれません。

ただ2024年度入試だけを見る限り、男子の上智大学離れが起こっているかもしれません。

次に帰国生入試について学部別に状況を俯瞰します。

2024年度入試で志願者数が多い学部は順に、経済学部(84名)、外国語学部(82名)、文学部(74名)でした。

ちなみに2023年度のベスト3は総合人間科学部(93名)、経済学部(90名)、文学部(89名)、2022年度は総合人間科学部(109名)、文学部(101名)、経済学部と外国語学部(各96名)で、全体的に文学部と経済学部の人気度が高いことがわかります。

ちなみに経済学部は「小論文と数学(数I、II、A、B(数列)、C(ベクトル))」が課される経済学科に比べると、「産業社会に関する基礎学力試験」を課す経営学科の方が毎年10名~20名ほど志願者数が多くなっています。

最後に学科別の入試倍率をみていきます。

2024年度入試では、入試倍率が最も高かった学科は文学部史学科でした。倍率が高いというよりも合格者が0名だったのは当該学科のみでした。

文学部国文学科が11倍と最高倍率で、理工学部物質生命理工学科(7.5倍)、情報理工学科(6.8倍)、経済学部経営学科(5.8倍)、法学部法律学科(5.5倍)がそれに続きます。

逆に入試倍率が低かった学科は、文学部のドイツ文学科とフランス文学科(1.6倍)、総合人間科学部の社会福祉学科(2.3倍)と看護学科(2.6倍)、法学部の地球環境法学科(2.0倍)、外国語学部のドイツ語学科(2.0倍)とフランス学科(1.1倍)があげられます。

ここで見る入試倍率の低さは、けして「合格しやすい」ことを直接意味するわけではないことには注意してください。

入試はやはり競争ですからたとえ倍率が低い学部や学科であっても「勝ち組(合格者)」と「負け組(不合格者)」が生まれます。

5人に1名の合格(5.0倍)に比べると2人に1名の合格(2.0倍)の方が精神的には余裕を持つことができるかもしれませんが、その余裕は気休めに過ぎません。

みなさんが取り組むべきことは、合格に必要な事前準備(志望理由書や学校成績・外部英語試験スコア)と学科試験の対策です。さらに言えば、あいさつ文でも記した通り「大学や学部学科が求める帰国生像」を意識して面接に臨めるかも重要です。

参考URL:https://adm.sophia.ac.jp/jpn/gakubu_tokubetsu_ad/ad_toukei/(最終閲覧日:2024年4月28日)

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