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【高校生・大学受験生対象】
JOBA 通信 2024/9/20 号
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このメールは、JOBAの講習会を受講してくださった高校生の生徒の皆様、高校生メールマガジン購読のご登録頂きました皆様にお送りしています。
保護者の皆様におかれましては、このメールの内容をお子様にお伝えいただければ幸いです。
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目次
■ 大学受験ワンポイント情報(103)
国際教養(リベラルアーツ)を選択する意味
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2025年4月入学の帰国生試験が本格的に始まるこの時期、国内大学では秋入学者を対象とした入学式が行われます。
入学式を迎えた(近日中に迎える)みなさん、大学進学おめでとうございます。
海外就学経験者を持つ場合、春入学ではなく秋入学を志望するケースは少なくないでしょう。
コロナ禍で高まった教育制度を9月入学に変更する議論は、その後の感染拡大収束にともない再び沈静化してしまいました。
小学校から高等学校を含めた9月入学の導入が日本国内で定着するのは、まだ先になりそうです。
その一方で、早稲田大学や慶應義塾大学をはじめとした私立大学では秋入学が広まりつつあり、海外高校生の志望校選択の一つとなりつつあります。
私立大学に比べると国公立大学の秋入学は東京大学(教養学部)や筑波大学、国際教養大学などいまだ少数にとどまっています。
しかしながらその国公立大学で秋入学を大きく推進する動きがあります。
大阪公立大学は、2027年度より段階的に秋入学を導入する計画を公表しています。
また同じく2027年度から秋入学の導入を計画している大学が東京大学です。学部4年制と大学院修士課程1年をセットにした文理融合型の新教育課程を創設し、生徒募集を開始予定です。
6月卒業の海外高校生にとって秋入学は、卒業後のブランクなしに大学生活を始められるだけではなく、英語重視・英語のみの学修が可能な点で魅力が大きいと言えます。
ちなみに秋入学は大学にとどまらず、大学院(修士課程)でも導入が進んでいます。
海外大学で学び、日本での大学院進学を考えるみなさんにとっても門戸が広がり始めている点は歓迎すべきと言えるでしょう。
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■ 大学受験ワンポイント情報(103)
国際教養(リベラルアーツ)を選択する意味
国際基督教大学教養学部を除くと国際と教養を結びつけた大学がなかった時代を経て、日本の大学で国際教養(リベラルアーツ)という名称が広まり始めたのは、今から20年ほど前のことです。
秋田県に国際教養大学が開学し、早稲田大学・上智大学に国際教養学部ができ、立命館大学にグローバル教養学部が新設されました。
上記以外にも、千葉大学や横浜市立大学の国公立大学を含め武蔵大学や南山大学など20弱の大学に学部が設けられています。
誕生当初から今日にいたる時代の潮流の中で、国際教養を取り巻く情勢はかなり変化してきたように思います。
変化の代表的な例は中国経済の目覚ましい成長です。それにともない中国を含むアジア各国からの留学生の動きも活発になりました。
さらに、アジアの大学でグローバル化が進み、欧米の有名大学と提携する魅力的な大学が海外各地に登場してきました。
こうした時代の変化に応じて、国内においては徐々に一定の評価を得るようになってきた「国際教養」を掲げる大学や学部も、海外留学生の側から見た場合、厳しい国際競争の中にさらされることになってきたわけです。
帰国生は日本国籍を有している点で外国人留学生とは立場が異なりますが、前号で取り上げた早稲田大学の外国学生入試をはじめ英語による学位取得プログラムやIB入試など両者を区別しないも増えてきています。
この点から、ある意味においては、外国人留学生と同じような視点から日本への大学進学を眺めることができるはずです。
海外高校生・帰国生が持つさまざまな選択肢を考慮した上で、なお日本で国際教養を学ぶ選択をするのであれば、「単に英語が話せるから」とか「将来英語で仕事がしたいから」といった志望理由が避けられるべきであるのは言うまでもないことです。
法学部や経済学部などの伝統的な縦割りの学部ではなく、国際教養(リベラルアーツ)を選ぶ意味、それに加えて海外の大学ではなく日本の大学を志望する意味、という面からしっかり大学選択と受験準備を行うことが大切になってきます。
各大学のホームページに掲載されている就職・キャリアの実績を見る限り、「国際教養学部は就職に不利」という言説は過去のものであり、むしろ逆転している(就職に有利)となっている資料も見受けられます。
文系・理系に固まることなく自分自身の興味関心で専門や専攻を選択できる点を加味するとともに、海外生活で培った英語力を大きく生かす場として国際教養学部に目を向けてみてください。
※本記事は2020年9月18日の文章を改訂したものです。