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【高校生・大学受験生対象】
JOBA 通信 2025/10/03号
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保護者の皆様におかれましては、このメールの内容をお子様にお伝えいただければ幸いです。
本メルマガは毎月第一・第三金曜日に配信しています(第五金曜日はお休み)。
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目次
■ 大学受験ワンポイント情報(126)
IB入試について(2)
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10月第1週に入り、9月に行われた入試の合格発表が終わります。
これから先は、私立大学に加え国公立大学の帰国生入試シーズンを迎えます。
北半球で5月・6月に高校を卒業した人たちは、そろそろ受験勉強に弛みが出始める頃にもなります。
南半球の高校生は、卒業試験と受験勉強の両立がたいへんな時期です。
いずれの場合も「行きたい大学」を目指し勉強を始めた時期の自分をもう一度思い起こし、入試科目の学習や面接対策に集中してください。
今号では前回に引き続き、IB入試の話題に触れたいと思います。
帰国生入試実施学部が年々縮小化の傾向にあることは、本メルマガでも何度か取り上げてきました。
縮小の具体的理由が何なのかはわかりませんが、受験当事者にとっては大きな問題でしょう。
早稲田大学や慶應義塾大学と同様に国公立大学でも「帰国生入試」の名称は次第に姿を消す傾向にあります。その一つが筑波大学です。
かつては9学群・23学類ほとんどの学群・学類で帰国生入試が行われていた筑波大学では、2023年年度には「体育専門学群」「芸術専門学群」「生命環境学群生物学類(10月入学・英語コース)」で帰国生入試を実施するのみとなりました。
帰国生入試が総合型選抜として実施されている大学が増加傾向にあることは既報の通りですが、筑波大学の場合、帰国生入試とは異なる名称―「海外プログラム特別入試」「外国学校経験者特別入試」「学群英語コース特別入試(英語による学位取得プログラム)」―して海外就学生の受け入れを実施しています。
その一つが「国際バカロレア特別入試」です。
2026年度入試では、7月募集・4月入学で2学群、10月募集・4月入学ではすべての学群が国際バカロレア入試を実施します。ちなみに人間学群と医学群は7月と10月に募集を行いますが、両方に出願することはできません。
これから海外に渡航し高校生活をする場合、こうした入試動向も視野に含めた学校選択が大切になります。
前回のメルマガでも少し触れましたが、IB入試の出願では大学や学部学科ごとディプロマ課程の履修科目が細かに定められています。
筑波大学を例にとると、IB JapaneseAまたはB(HL)が共通の履修条件となります(在籍校が日本語科目を開講していない場合は日本留学試験「日本語」の受験が必要)。
それ以外には学群・学類ごとに履修科目が細かに定められています。なお履修条件となる科目はすべてHLでなければなりません。
文系では歴史・地理・哲学(いずれもHL)のうち1科目を指定する学群が多く、理系の場合は数学(HL、Analisis and Appriachesに限定)が必修で物理・化学・生物(いずれもHL)から1科目(医学群医学類は2科目)の履修が必要です。
IB入試の要項は他の入試方式を比べ、内容が細かく、自分が出願資格を満たすか否かをしっかりと確認しなければなりません。
現在、IBDP課程で学習している高校生はホームページ等で入試要項に目を通す必要があります。
もちろん合否判定には最終試験のスコアが重要な鍵を握ります。外部英語試験と同じく大まかな合格ラインはあるものの合否の分かれ目にあたるラインははっきりしません。
筑波大学では以前の入試要項には「望ましい」という表現で、「36点以上(社会・国際学群 国際総合学類)」「38点以上(医学群・医学類)」という数字が記載されていましたが、現在は明記されていません。
それとは別にどの学群にも以下の文言が選考基準として記されています。
「国際バカロレアの学習成果については、スコアのほか、EE(課題論文)、TOK(知識の理論)及びCAS(創造性・活動・奉仕)の内容から、志願する学群・学類で学ぶために必要な適応性(知識・技能、思考力、表現力、当該領域・分野への関心、目的意識を持って学ぶ意欲)等を評価します。」
「面接・口述試験は、主に出願時に提出された書類等の内容に基づいて、個別に10分~30分程度行います(医学群を除く)。」
出願時の提出書類(エントリーシート)には志望動機や入学後に学びたいこと、将来の目標等をEEやCASの内容と関連付けるよう記述するとともに、EEの写しと日本語要約、TOKの課題エッセイの日本語要約と学習成果をまとめたレポート、CASの概要をまとめたレポートの提出が求められます。
換言すればIB入試はディプロマ課程における日々の学習の集大成であるといえるかもしれません。
すべての海外高校生がIBDPを取得するわけではありません。しかし、昨今の流れを考えると国内・海外を問わずIBDPによる卒業生は増加する傾向にあり、それに対応した入学選抜が広がる可能性は否定できません。
自分自身の立ち位置をもう一度確認し、大学入学のロードマップをつくり上げてもらえることを期待しています。
参考URL:(最終閲覧日 2025年10月1日)
https://ac.tsukuba.ac.jp/wp/wp-content/uploads/2025/06/IB10-2026-youkou_sec.pdf