それではまず海外体験について聞かせてください。A.Iさんは小学3年生から小学5年生までをアメリカ・アリゾナ州で過ごし、現地校に通っていたのですよね。英語は日本にいたときから得意だったのでしょうか?
A.I 幼稚園生の時に英会話教室に通っていましたが、なんとか簡単な自己紹介ができる程度で、英検5級くらいの英語力で渡米しました。
とはいえ、日本の学校からアメリカの現地校への転校は大変でしたよね。
A.I 相手の名前程度であれば理解できましたが、日常会話がおぼつかなく苦労しましたね。そんな状態だったので、勉強でもわからないところがあれば必ず質問していました。一カ月くらいで発音はともかく会話はなんとかできるようになりました。
生活はどうでしたか?
A.I 私はアリゾナでも都市部に住んでいました。州都のフェニックスは建物が密集していて東京とあまり変わらないですね。ただ、治安があまりよくないので基本的に移動は車でした。アリゾナは元々ネイティブアメリカンが住んでいた地域で、その文化が色濃く残っているエリアでもあります。郊外に行くとネイティブアメリカンの人が路上でお店を開いていたりするので、会話をしたこともあります。
ありがとうございます。それではK.Nさんにもお聞きしましょう。K.Nさんは小学1年生から中学3年生までをイギリス・ロンドンで過ごしたのですね。小学1年生から3年生は日本人学校、4年生から中学3年生は現地校に通っていたと聞きました。ロンドンの生活はどうでしたか?
K.N ロンドンでの生活で印象的だったのは、街中に公園がたくさんあったことです。それも日本のような小さい公園ではなくて、広い芝生や森のある大きな公園なのです。そこでよく運動をしていました。
日本人学校から現地校に移ったときに苦労などはありましたか?
K.N 実は、すぐに日本に帰ると思っていたので、渡英したばかりの頃はアルファベットが言えるくらいしか英語のことはわかりませんでした。そんな状態だったので、はじめは周りが何を話しているのかわからなくて苦労しましたね。
現地校に入学したときに、クラスに2、3人の日本人がいて、互いに助け合いながら授業に臨んでいました。英語もその友人たちと励まし合いながらなんとか習得していきました。しかし、いつも助けてもらえるわけではないので、きちんと一人でもコミュニケーションをとれるように頑張りました。
英語を習得するためにどんな勉強をしていましたか?
K.N 学校に通っているだけではなかなか上達しないので、家でも自主的に勉強していました。毎日帰宅したら夜まで、グラマーの勉強をしたり、朝は家を出る前に単語帳を見たりしていましたね。毎日の積み重ねです。
それでは逆に、ロンドンから日本に戻った時、日本の生活にはすぐに馴染めましたか?
K.N 当たり前ですが、日本食が気軽に食べられるのはうれしかったですね(笑)。日本にいたのは小学校に入る前だったので、当時のイメージとは異なることが多く、文化の違いを実感しました。クラスの雰囲気もロンドンと日本では全然違いますね。日本の学校は基本的にクラスメイト同士の距離が近いです。あと、クラスのみんながその時に流行っていることを話題にするのも日本ならではですね。最初は話についていくのに苦労しましたが、すぐに馴染めました。
次に入試について聞いていきたいと思います。A.Iさんは中学受験ですね。受験する学校はどうやって決めましたか?
A.I 高校を卒業したら、将来はまたアメリカに戻りたいと考えていたので、自分の英語力をもっと伸ばせる学校が第一希望でした。あとは、留学のサポートのある学校かどうかですね。英語の取り出し授業の有無や海外大学への進学率、オンライン授業の実施などもチェックしていました。
富士見丘に決めた理由は何ですか?
A.I やはり、英語力を伸ばせる環境が整っていたことですね。説明会には何回か参加して、実際に見学にも行きました。普段はにぎやかで楽しそうな雰囲気なのに、授業はきちんと集中して受けている様子が印象的でした。実際に学校の空気を感じてみて、私も通いたいなと思いました。
入試は帰国生入試A方式(英語エッセイ・基礎日本語作文)ですね。受験勉強にはどのように取り組みましたか?
A.I 本格的に受験勉強をはじめたのは小学6年生の夏頃です。英語エッセイの対策に取り組むのと並行して、日本語作文の対策として国語の個別授業のために塾に通っていました。帰宅後は習ったことを思い出しながら、ひたすら書いて、書いて、書いてといった感じです。面接も塾の先生とたくさん練習しました。しっかり対策していても、やっぱり試験当日は日本語作文がうまく書けるか不安でしたね。
でもなんとかなったということですね。努力の成果だと思います。受験の時、英語の資格は所持していましたか?
A.I 小学6年生の7月に英検の準2級と2級をダブル受験して両方に合格しました。そこから準1級に挑戦して、簡単ではありませんでしたがなんとか合格できました。問題に取り組んでいるとどんどん自分のレベルが上がっていくと実感できるし、レベルが上がっていくにつれて内容もアカデミックになって専門的な語彙力も身についていくので、取り組んで損はないと思います。
ありがとうございます。K.Nさんは中学3年生での編入とお聞きしました。受験する学校はどうやって決めましたか?
K.N まずは帰国子女に配慮した入試があることです。あとは、英語の取り出し授業の内容や帰国生の割合などを重視しましたね。英語力を維持するだけでなく、更に伸ばせる学校が希望でした。母と相談して決めましたが、周りの人のアドバイスや評判なども参考にしましたね。
そうすると、富士見丘は理想通りの学校ですね。
K.N 帰国子女へのサポート体制が整っていますし、英語の取り出し授業のレベルが高く、入学後もさらに英語力を伸ばせると感じたので富士見丘に決めました。また、ロンドン大学キングスカレッジへの推薦枠があること、模擬国連部の活動が活発なこと、数々の英語大会で賞を取っているところも魅力的でしたね。
編入試験はA方式(英語エッセイ・基礎日本語作文)ですね。受験対策はどんなことをしましたか?
K.N 学校を決めてから試験を受けるまであまり時間がなかったので、ひたすら過去問を解いて、日本語作文はたくさん練習しました。富士見丘は過去問がwebサイトにアップされているので助かります。作文の構成について学んだり、頻出単語など積極的に覚えたり、ピンポイントでコツを抑えるようにしましたね。当日心配だったのは、書ける漢字が少なかったことです。私の場合、覚えなければいけない漢字がたくさんあったので、全部カバーするのはさすがに無理でした(笑)。できるところまで頑張りました。
受験の際に、英語の資格は持っていましたか?
K.N 英検は小学4年生頃に2級を取得しました。中学生になってからTOEFL iBTにチャレンジしてスコアは98です。
すばらしいスコアですね。受験のアドバイスがあればお願いします。
K.N 英語力を鍛えたいなら英語の資格にチャレンジするのがよいと思います。でも、日本の学校に入るなら日本語も大事にしてください。日本語ができないと受験や授業へ対応するのにとても苦労します。英語だけしかできないのは厳しいですね。「書くこと」よりも「話すこと・聞くこと」の方がまず大切だと思います。先生が何を言っているのか理解できないと大変ですから。漢字は少しずつ意識的に覚えていけば大丈夫です。
◆2024年度入試◆
帰国生入試には、「英語エッセイ・基礎日本語作文」を試験科目とするA方式と「国語、算数(数学)、(英語)」を試験科目とするB方式があります。それぞれの強みを活かして適切な受験方式を選択してください。また、海外での体験やこれまで打ち込んできたことを積極的に評価するため、面接も重視します。面接は日本語で実施しますが、「英語取り出し授業」を希望する生徒には、英語面接も実施します。帰国生入試募集要項はこちらからご確認ください。
◆海外特別入試・転編入試験について◆
また、11月に海外3都市で入学試験、及び転編入試験を実施しています。合格後、入学資格は10ヶ月間保持でき、帰国のご予定に合わせて入学できます。海外生特別入学・転編入学試験募集要項はこちらからご確認ください。
◆帰国生・海外生の方 過去の入試問題◆
過去の入試問題と解答例がこちらからご覧いただけます。
入学前に不安に思っていたことなどはありますか?
A.I 富士見丘は学校の規模があまり大きくないと聞いていたので、どのくらい私のような帰国生がいるかは少し気にしていました。
K.N 海外生活が長かったので、富士見丘がはじめて通う日本の学校でした。まず、日本の学校がどんな感じかわからなくて不安でしたね。ほかにも、友達ができるのか、勉強についていけるのか、先生は怖くないか、心配なことはたくさんありましたね。
実際の学校生活はいかがでしょうか?
A.I 日本の学校に少し堅苦しいイメージもあったのですが、実際に生活してみると先生も友だちもみんな明るく接してくれて、不安や堅苦しさなんてほとんど感じません。先輩ともとても関係がよくて、仲良くしてくれます。時には悩むこともありますが、富士見丘の先生は丁寧に相談に乗ってくれるので、そこも安心できますね。
K.N 実際入学してみると温かい先生が多く、友達もたくさんできました。富士見丘は学年関係なくみんな仲が良いです。特に文化祭は、学年の垣根を越えて日々の成果を学内外に発表できるので、とてもよいなと思います。
学習面で苦労したことはありますか?
A.I 勉強はある程度できると思っていたのですが、得意科目だった国語で少しつまずいてしまいました。なかでも日本語の文法が本当に難しいです。文章を分解する時に、どこで区切ればよいのかまだ理解しきれなくて。漢字もなかなか難しく、他のみんなが簡単に覚えられる様子を見ると、私も負けていられない、という気持ちになります。
先生方はサポートしてくださりますか?
A.I わからないところは朝、早めに登校して先生のところに質問に行ったり、授業終わりに直ぐ質問したりと工夫をしています。先生はいつも丁寧に指導してくれますよ。
よかったですね。K.Nさんは学校を決めるにあたって帰国生の割合を重視していたと言っていましたね。富士見丘は帰国生が多いと感じますか?
K.N 帰国生は多いですね。それが富士見丘の安心感でもあります。クラスに何人も現地校やインター校出身の生徒がいるので、普通に友だちと会話するときに英語を使うことがあります。英語の方が互いの言いたいことが伝わる場面がありますよね(笑)。
次に英語の授業について詳しく聞いていきましょう。A.Iさんは中学の英語特別コース(インター)ですね。どんな授業が行われているのですか?
A.I 英語特別コース(インター)の英語の中でも、授業の特徴によって4つの科目に分かれています。そのおかげでバランスよく4技能の力を伸ばすことができると思います。
全ての授業がネイティブの先生によるオールイングリッシュですよね。
A.I ネイティブの先生の授業は新しいことを学びつつ、いままでやってきたことの復習にもなるのでちょうど良いです。授業についていくのは全く問題ないですね。日本語と英語をうまく切り替えなければいけないのが、少し大変なくらいです。
K.Nさんは高校のアドバンストコース(インター)ですね。どんな英語の授業が行われているのですか?
K.N 高校のアドバンストコース(インター)も内容によって細かく科目が分かれています。どの授業でもプレゼンテーションやスピーチの機会が多く、自分の英語力が活かせたと感じられる場面は多いです。
最近はどんな授業を受けましたか?
K.N 最近の授業で印象に残っているのはAdvanced Language Artsのクラスですね。イギリスの『Animal Farm(邦題:動物農場)』という本を読んで、英語の表現を学ぶだけでなく、思想や歴史的背景を学びました。この書籍は為政者を動物に例えた風刺になっていて、当時の国際状況から出版を断られ続けた作品なのです。英語の技術だけでなく、文化背景など包括的に学ぶことができるのがとても興味深いです。
英語の難しい語彙や表現を習得する機会も多いですか?
K.N たくさんあります。授業で読むテキストも読解力の必要な難しいものを使うので、毎回新しい語彙や表現を学ぶことができますね。IELTSとTOEFLの対策するAcademic Englishという科目もあります。日常会話より使う英語のレベルが高いので、難しい表現の習得には丁度よいです。
◆英語特別コース概要【中学校】◆
カリキュラム上、英語以外の教科の内容は一般コースと同じです。英語の習熟度に応じて、さらにA・B・インターに分かれます。
英語特別コース コースA・B:英語の授業内容がより高度になります。コースBでは「Listening&Speaking」の授業をインターの生徒と一緒に受講します。
英語特別コース インター:海外現地校、インター校出身者や高度な英語力(英検2級程度以上)を有する生徒を対象とし、全ての英語の授業がネイティブ教員によるオールイングリッシュの授業になります。
詳しくはこちらからご確認ください。
◆アドバンストコース概要【高校】◆
カリキュラム上、英語以外の教科の内容はグローバルコースと同じです。様々なグローバルプログラムにチャレンジする中で、英語の習熟度に応じて、さらにA・B・インターに分かれます。
アドバンストコース コースA・B:英語の授業内容がより高度になります。コースBでは「Advanced Oral Communication」の授業をインターの生徒と一緒に受講します。
アドバンストコース インター:海外現地校、インター校出身者や高度な英語力(英検準1級程度以上)を有する生徒を対象とし、全ての英語の授業がネイティブ教員によるオールイングリッシュの授業になります。そのため、国内大学だけでなく海外大学への進学も視野に入れた進路指導が行われます。
詳しくはこちらからご確認ください。
◆The Fujimigaoka English Honors Program◆
EHP(The Fujimigaoka English Honors Program)は、上級レベルの英語学習者のための総合的なカリキュラムで、英語の深い知識と理解を促進するため、経験豊富なネイティブ教員がその指導にあたります。詳しくはこちらからご確認ください。
◆帰国生の力を活かす学習環境◆
富士見丘には充実した帰国生受け入れ体制があります。学習サポート室、英語取り出し授業、多彩な国際交流・留学プログラム、海外大学との接続と帰国生を全面的にサポートしています。帰国生受け入れ体制の概要はこちらからご確認ください。
次に「模擬国連部」について聞いていきましょう。どんな部活なのでしょうか?
A.I 「模擬国連部」では実際の国連を模して、生徒がそれぞれの国の大使になりきります。グローバル社会が解決を必要とする社会問題や解決の糸口となる現在の国際情勢をリサーチし、そこから自国の政策を立てます。英語で他国とディスカッションや交渉をしながら、国益や問題の解決策を考えていく活動で、週に1回、毎週木曜日に活動しています。
実際に活動してみてどうですか?
A.I 実はまだ国際的問題や社会問題に明るくなく、実際に説明されてもピンとこないことも多いです。ただ、そんな時は経験者である先輩たちが優しく教えてくれるので、難しい国際問題にも取り組むことができています。問題に取り組む前に、背景や状況を理解するだけでも大変ですが、教えてもらいながら少しずつ理解を深めていけるので、時間はかかりますが着実に理解できています。先輩のおかげで、なんとかついていけていますね。慣れてくると、専門的な英語表現などもだんだん覚えられるようになります。
◆模擬国連部◆
世界が解決を目指す社会問題や国際情勢をオールイングリッシュで議論します。模擬国連大会はもちろんのこと、英語コンテストでも入賞の実績が多数あります。優しい先輩たち、そしてネイティブ教員+日本人教員による安心のバックアップ体制です。
模擬国連部 合同練習会議に参加
「模擬国連部」以外にも富士見丘では英語を活かせる多彩な活動がありますよね。高校では1年生で「グローバルワークショップ」、2年生で「グローバルスタディ演習」という探究学習に関する授業があると聞きました。K.Nさんはすでに経験していますか?
K.N 実はちょうど、今度の土曜日からはじまります。今からどんなことをするのか楽しみです。
◆中高大連携で行うアクティブラーニング◆
自分で課題を見つけ、調べて、動いて、考えて、自分の結論を出す。これが富士見丘のアクティブラーニングです。高校2 年生では探究学習の集大成として「グローバルスタディ演習」に取り組みます。「海洋と地域経済」「環境とライフスタイル」「災害と都市生活」というテーマで高大連携のプロジェクト学習を行い、海外フィールドワークと現地での英語プレゼンテーションを実施します。
高校2年生の探究学習「グローバルスタディ演習」開講
グローバルワークショップ2023開始
また、富士見丘には姉妹校が海外に多くあるのも特徴ですよね。A.Iさんは最近、交流会に参加されたのですか?
A.I はい。昨年は姉妹校との交流は主にオンラインでの開催だったのですが、つい最近グアムの姉妹校の生徒が富士見丘に直接来てくれる機会がありました。ペアになって校内を案内したのですが、アジア系、欧米系、アフリカ系など様々なルーツの生徒がいて、いろいろな英語のイントネーションに触れられたのが興味深かったです。
◆多様な国際交流、留学プログラム◆
グローバル社会で活躍する「国際性豊かな若き淑⼥の育成」に向け、さまざまな国際交流、留学プログラムを用意しています。詳しくはこちらよりご確認ください。
将来や進路についてはいかがですか?
A.I まだ先の話ですが、将来は音楽業界か教育機関で働きたいと考えています。アメリカにいた時、生徒一人ひとりに寄り添ってくれる先生がいて私もそんな先生になりたいなと思いました。あと、幼稚園生の時にクラスでアイドルショーみたいなことをしていて、それがきっかけで音楽業界にも興味があります。まだ一つには決められませんね。卒業後は上智大学など日本の国際系に強い大学か、かつて過ごしたアリゾナ州の大学など海外大学への進学か、まだ迷いつつも高い目標をもって頑張ろうと思います。そのためもっと英語を極めていきたいです。
K.N 将来は自分の英語力が活かせる職業に就きたいと考えています。まだ具体的な職業については明確ではありませんが、これからいろいろな経験をして決めていきたいです。今はイギリスのロンドン大学キングスカレッジの推薦枠を目指して頑張っています。ただ、推薦を受けるためには、まだまだたくさん努力することが必要だと思います。なので、英語力をもっと上げるために、本や論文を読む、動画を見るなど日々の研鑽を怠らないようにしています。
最後に未来の後輩たちへメッセージをどうぞ。
A.I 自身で思っているより海外の経験はとても貴重です。ちょっとした体験が想像以上に日本の生活に役立つことも多いので、海外での日々を大切にしてください。私はアメリカでの生活が楽しすぎて、またいつか向こうに戻りたいと考えています。帰国したばかりの頃は寂しい気持ちもありましたが、いま日本で取り組んでいる課題を一つひとつ乗り越えていくことが、アメリカに戻る一歩につながっていくと考えて毎日頑張っています。
K.N 日本語が苦手なことをあまり気にしたり、落ち込んだりする必要はないです。海外でしてきた経験や得意なことに目を向けて明るい気持ちでいきましょう。受験は、英語が得意でも日本語の力も最低限必要なので、両立できるように早い段階から勉強をはじめるとよいと思います。
ありがとうございます。それでは皆さん、本日は長時間ありがとうございました。