
こんにちは。本日はよろしくお願いいたします。まずは海外生活について教えてもらおうと思います。中学3年生のS.Mさんから聞いていきますね。S.Mさんは2011年~2015年、生まれてすぐの7ヵ月~4歳までがアメリカ・カリフォルニア州、そして2019年~2022年、小学3年生から小学6年生まではイスラエルのテルアビブで過ごしたのですね。イスラエルならではの出来事、経験があったら教えてください。
S.M そうですね。ユダヤ教の宗教行事が数多くあったことですね。そして、紛争が絶えない国ですので、実際にミサイルが飛んできてとても怖い思いをしたこともよく覚えています。
ミサイルですか…。言葉につまりますね。どんな状況だったのですか?
S.M 普段通り自宅で夕食を取っていた際、突然サイレンの音が鳴り響きました。驚いてベランダに出ると、ミサイルが飛んでいるのが見えました。外の道路には乗り捨てられた車があり、人々が逃げている様子も目に入りました。警告は出ていたものの、それが本当に現実となり、自分の身近で起こるとは思っていませんでした。
現実世界の話ですものね。本当に大変な経験を…。ではユダヤ教の宗教行事についても教えてください。年間通して色々あったと思いますが、印象に残っている行事があったら教えてください。
S.M ハヌカというユダヤ教の祭りがあります。毎年12月頃に8日間行われ、9本枝の燭台の真ん中の1本のろうそく(点灯用の火)を、他の8本のろうそくに毎晩1本ずつ灯していきます。エルサレム神殿を取り戻したユダヤ人が礼拝を始めようとしたとき、1日分の聖油しか残っていなかったのに、その油で8日間灯が消えなかった奇跡を祝っているそうです。
厳かなイメージですね。今度調べてみたいと思います。ありがとうございます。学校はインターナショナルスクールに通っていたのですよね。ちょうどコロナの時期にあたっていると思いますが、学校には行かず、自宅でオンライン学習をすることが多かったのですか?
S.M はい。長い期間オンラインでの学習が続きました。
英語では苦労しましたか?
S.M はい。オンラインでブレイクアウトルームという機能があり、そこでグループになってお話ができたのですが、最初は言いたいことが伝わらない時がありました。徐々に慣れていった感じです。
ありがとうございます。それでは中学2年生のK.Tさんにも教えてもらいましょう。K.Tさんは2015年~2021年、3歳から小学3年生までインドネシアのジャカルタで過ごしたのですね。インドネシアはいかがでしたか?
K.T ラマダンの期間は衝撃的でした。友達が日中ずっと食事も飲み物も取らないのです。学校でも皆が配慮していて、宗教が生活に深く関わっていることを強く感じました。
日本ではまず見ない光景ですよね。ラマダンはどれぐらいの期間なのですか?
K.T 1ヵ月ぐらいだと思います。
それは長い。すぐにお腹が空いて食事のことが気になる私には想像を絶しますね(笑)。学校はインターナショナルスクールに通っていたそうですが、言葉の壁は高かったですか?
K.T はい。授業は英語やインドネシア語だったので、最初は言葉が理解できず苦労しました。わからないところは家で調べたり、先生や友達に聞いたりして少しずつ理解できるようになりました。
小さい時に暮らしていたのにしっかりしていますね。その他、インドネシアの生活で思い出深いことはありますか?
K.T ストリートで食べた本格的なインドネシアの料理は美味しかったですね。甘辛い感じです。
それでは中学入試について聞いていきましょう。二人とも一時帰国での受験ではなく、日本に本帰国した後の受験ですね。S.Mさんは小学6年生の7月に本帰国をして、公立の小学校に通ったのですか?
S.M はい、そうです。
海外生活が長かったので、日本の学校に馴染むのが大変だったのではないですか?
S.M イスラエルでは、制服は学校指定のTシャツで、あとはズボンを合わせるだけでよかったので、服装にあまり気を遣う必要はありませんでした。一方、日本の学校は私服だったため、周りの友達はとてもおしゃれで身だしなみにも気を遣っていたので、ついていくのが大変でした(笑)。
なるほど、日本らしいと言えばらしいですね。中学受験は自分からしたいと思ったのですか?それとも親御さんのすすめですか?
S.M 私がしたいと思いました。少し迷ったのですが、やはり英語力は落としたくないと思いまして。
なぜ落としたくないと思ったのですか?
S.M 海外の友達とコミュニケーションを取る中で、自分の気持ちをうまく伝えられなくなるのは嫌だと思ったからです。また、将来、英語を使う機会があると思うからです。
英語力の維持伸長が期待できる学校はいくつかありますが、その中で富士見丘を選んだ理由を教えてください。
S.M ネイティブの先生がたくさんいらっしゃったので、英語が上達しそうだなと思いました。また、姉がこの学校に通っているので授業の様子を聞いており、英語力アップが期待できると思いました。
そうでしたか。富士見丘の入試は帰国生入試のA方式・英語エッセイと日本語作文ですか?
S.M はい、そうです。
英語は英検など資格を持っていましたか?
S.M 英検2級は取得済みでした。
それでは英語はよいとして、日本語での作文が気になりますね。練習はしましたか?
S.M イスラエルでは、現地の学校とは別に日本語のオンライン授業を受けていました。その中で漢字をたくさん練習して、日本語作文ではできるだけ漢字を書くようにしました。
漢字は大変ですよね。頑張りましたね。それではお待たせしました。K.Tさんにも教えてもらいましょう。K.Tさんは小学校3年生の終わり、3月に本帰国をしたのですね。K.Tさんも公立の小学校に通ったのですか?
K.T はい。
インドネシアのインターナショナルスクールと日本の公立校では勝手が異なりますよね。最初のうち、大変だったことはありましたか?
K.T インドネシアではほとんど英語しか使わない環境にいましたが、日本への本帰国が急に決まり、英語から日本語への切り替えが必要になりました。そのため、日本語を習得してコミュニケーションを取るのに苦労しました。
なるほど。海外に行った時と同じように言語の壁が大変だったのですね。言語以外は問題なかったですか?
K.T インターナショナルスクールでは生徒たちが教室の掃除をすることはなかったため、日本の学校に転入した当初は、掃除のやり方がわからず戸惑いました(笑)。
そうですよね。海外だと業者の方が清掃しますものね。K.Tさんのように、本帰国してから中学受験をするまでにそれなりの期間空いている方は結構いるのですが、英語力を維持・伸長するために何かやっていましたか?
K.T YouTubeで英語の動画を観るようにしていました。また、毎日英語と日本語でそれぞれジャーナルを書いて、父や塾の先生に添削してもらいました。間違いを指摘してもらいながら文章を見直すことで、英語力が身に着いたと感じています。
日々の鍛錬は大事ですね。何もしないと忘れていきますからね。中学受験は自分からやろうと思ったのですか?それとも親御さんのすすめですか?
K.T 自分で決めました。
そうですか。受験する学校を選ぶ上でのポイントは何でしたか?
K.T そうですね。帰国生の受け入れに理解があり慣れている学校が前提でした。また、英語教育の充実度と学校の雰囲気もポイントでした。
いくつか候補がある中で、富士見丘がなぜ良いと思ったのですか?
K.T 英語力を高められると確信したからです。海外のインターナショナルスクールと同じような授業展開ですし、海外経験が豊富な生徒がたくさんいるので国際的な環境だと感じました。また、将来英語を活かしたキャリアを築くためのスキルも身に着くと思いました。家から近く、プログラミングなどICTに力を入れているのも魅力的でした。
今でもしっかりしていますが、小学6年生当時もしっかり考える子供だったのですね。素晴らしい。富士見丘の入試は帰国生入試のB方式。国語・算数・英語から2科目選択する方式ですよね。何を選択したのですか?
K.T 算数と英語を選択しました。
英語は資格を持っていましたか?
K.T 英検2級を持っていました。
◆2026年度帰国生入試◆
帰国生入試には、「英語エッセイ・基礎日本語作文」を試験科目とするA方式と「国語、算数(数学)、(英語)」を試験科目とするB方式があります。それぞれの強みを活かして適切な受験方式を選択してください。また、海外での体験やこれまで打ち込んできたことを積極的に評価するため、面接も重視します。面接は日本語で実施しますが、「英語取り出し授業」を希望する生徒には、英語面接も実施します。
◆海外特別入試・転編入試験について◆
11月にシンガポール、ニューヨーク、ロンドンの3会場、及びオンラインでの海外生特別入試・転編入試験を実施しています。合格後、入学資格は10ヶ月間保持でき、帰国の予定に合わせて入学ができます。
それでは富士見丘入学後のお話に移りたいと思います。S.Mさん、友達ができるか心配でしたか?
S.M はい。私は自分から話しかけることが少し苦手で、一人で座っていることもあったのですが、話しかけてくれる優しいクラスメートが多くいたおかげで、次第に環境にも慣れ、自分から話しかけられるようになりました。また、様々な国から帰ってきた帰国生が多かったので、それぞれの経験を話したりして会話が弾んだのも良かったです。やはり帰国生が多いと安心しますね。
この学校を選んで正解でしたね。入学後、学習面で困ったことはありましたか?
S.M 漢字検定に受かるのが難しくて…。
漢字検定というのが学校内での取り組みですか?
S.M はい。学校で年に4~5回実施される漢字の小テストです。幅広い問題が出題されるため、試験範囲について十分な練習が求められます。規定の点数に達しない場合は、追試を受ける必要があります。
追試ですね…。引き続き頑張ってください!それではK.Tさんにも入学当初どうだったかお聞きしましょう。入学前の印象と入学後の印象に違いはありましたか?
K.T 入学前は少し堅い雰囲気を想像していましたが、実際は先生と生徒の距離が近く、思っていた以上に自由度もあり、自分の意見や考えを尊重してもらえる環境であることに驚きました。
それは良かったですね。入学後、学習面で困ったことはありましたか?
K.T 授業が予想以上にディスカッション中心で、最初は自分の意見をうまく表現することができませんでした。ただ、回数を重ねるうちに積極的に意見を言うことに慣れ、自分なりに表現できるようになったと思います。
それでは授業についてお聞きしましょう。お二人とも最上位の英語特別コース・インターに所属していますよね。コース・インターは全ての英語の授業がネイティブによるオールイングリッシュの授業と伺っています。この授業は面白かった、ためになったなという授業はありましたか?S.Mさん、どうでしょうか?
S.M 中学1年生の授業ではレシテーション(暗唱発表)を行いました。グレタ・トゥーンベリさんの地球温暖化に関するスピーチを参考にし、暗唱に加えてジェスチェーも取り入れて発表しました。中学2年生では、自分で選んだトピックについて原稿を作成し発表する機会が何度もありました。このようなスピーチの授業は、英語力の向上に役立っていると思っています。
そうですよね。スピーチの機会があると英語力は上がりますよね。S.Mさんはイギリスの短期留学にも参加したと聞きました。なぜ参加しようと思ったのですか?
S.M 学校ではネイティブの先生と話す機会が多くありますが、一方で日本語を使う場面も増えてきました。そのため、短期留学に参加して、現地の方と毎日英語で会話する機会を得たいと考えました。
素晴らしいです。それではK.Tさんにもコース・インターの英語の授業について聞きたいです。英語の授業は好きですか?
K.T はい。自分の考えを英語で表現したり、英語を通して様々な文化に触れることができるのでとても楽しいです。ただ、英語よりも数学、理科の方がさらに好きですが。
そうなのですね。理系科目が好きなのはとても良いことです。ただ、今日のところは皆さんが知りたいであろうコース・インターの英語の授業について聞きますね。これまでの授業で面白かったことを教えてもらえますか?
K.T アーティストのアートプロジェクトについて学んだあと、自分たちがそのプロジェクトで実際に制作するとしたら、どのように作品を作るかを考え、発表した授業が特に印象に残っています。
それは楽しそうです。
K.T 創造力と英語力の両方が求められる、自由度が高い課題だと言えると思います。
◆英語特別コース◆
英語のレベルに応じて、A・B・インターに分かれます。
◎コース・インター
海外現地校、インター校出身者や高度な英語力(英検2級程度)を有する生徒を対象とし、全ての英語の授業がネイティブによるオールイングリッシュの授業になります。
◎コースA、コースB
英語の授業内容がより高いレベルになります。コースBは「Listening&Speaking」の授業をインターの生徒と一緒に受講します。
部活動や行事についても聞いていきたいと思います。S.Mさんは少林寺拳法部と模擬国連部に所属しているのですよね。部活動を2つ掛け持ちする生徒は多いのですか?
S.M はい、結構います。
そうなのですね。少林寺拳法部というのは他校で聞いたことがないですね。HPを見たら強豪の部活動でした。少林寺拳法は入学して初めて経験したのですか?
S.M はい、初めてです。私はまだまだなのですが、先輩たちが上手で全国大会にも出場しています。
素晴らしいですね。模擬国連部は後ほどおじゃまして撮影しますが、部員数は多いですよね。こちらも入賞実績多数の強豪の部活動ですが、コンテストに参加しましたか?
S.M 私は他校で行われる模擬国連の会議に参加しました。昨年入部したばかりだったため、まずは模擬国連の雰囲気を知ることを目的として参加しました。国際大会は3日間にわたって開催される大規模な会議であるため、私にはまだ難しいと感じています。
そうするとS.Mさんはこれからですね。それではK.Tさんにもお聞きします。K.Tさんも2つ入っているのですね。バスケットボール部と模擬国連部。バスケットボール部を選んだ理由はありますか?
K.T 母が子供の頃にバスケットボールをしていたことに影響を受けて、私も中学校から始めました。
そうでしたか。模擬国連部ではS.Mさんが先輩になりますが、上の学年の生徒とも模擬国連の練習をするのですか?
K.T はい。上の学年の方と組むことが多いです。
そういうグループ分けをするのですね。ここ最近はどういった国際問題を取り扱っているのですか?
K.T 最近はジェンダー格差について取り上げました。私はアイルランド大使として、男女の賃金格差(ジェンダーペイギャップ)について問題提起を行いました。他の国の代表は、男女間の教育格差について議論していました。
ありがとうございます。これからも皆さんで意識高く取り組んでください。行事についても一つずつ教えてもらいましょう。S.Mさん、昨年の文化祭で面白かったものを教えてください。
S.M 部活動の発表で、少林寺拳法を舞台で披露しました。本来、少林寺拳法の大会では音楽は使用されませんが、文化祭では音楽に合わせて演武を行ったため、会場が盛り上がり、とても楽しい経験となりました。
それはユニークですね。K.Tさんには宿泊行事のことを聞きましょう。いつ、どこに行きましたか?
K.T 中学1・2年生は、4、5月に山梨県へ宿泊学習に行きました。
やはり宿泊行事は楽しいですか?
K.T はい。友達の普段とは違う一面を知ることができたりしますし、思い出に残りますね。
富士見丘は様々な行事を用意してくれていますので、これからも楽しみですね。
◆少林寺拳法部◆
部員のほとんどが初心者からのスタートです。運動が苦手な人でも上達できます。今持っている力と可能性を引き出しましょう。楽しみながら日本の伝統文化を理解して、武道の技を身につけ、黒帯を目指します。全国レベルの大会にもチャレンジします。
◆バスケットボール部◆
「心をこめて」をモットーに、中学生と高校生が一緒に練習し、互いに切磋琢磨して成長していくことを考えて活動しています。主な大会は春季大会(4~5月)、インターハイ予選(高)(5~6月)、選手権大会(中)(6~7月)、夏季大会(高)、私学大会(8月)新人大会(11月~12月)です。
◆模擬国連部◆
世界が解決を目指す社会問題や国際情勢をオールイングリッシュで議論します。模擬国連大会はもちろんのこと、英語コンテストでも入賞の実績が多数あります。優しい先輩たち、そしてネイティブ教員+日本人教員による安心のバックアップ体制です。
各部活動の紹介ページはこちらです。
お二人はまだ中学生ですから、富士見丘での楽しい行事などがたくさん控えていると思います。S.Mさんはオーストラリアの修学旅行に明後日に行くのですよね?
S.M 私は少林寺拳法の試合があるため、1日遅れて現地に向かう予定です。
そうでしたか。気をつけて行ってきてください。今は修学旅行のことで頭がいっぱいだと思いますが、他に楽しみにしている行事があれば教えてください。
S.M やはり文化祭です。中学最後の文化祭を楽しみたいと思っています。
皆で盛り上がるのが好きなのですね。K.Tさんにも聞きましょう。楽しみにしている行事はありますか?
K.T S.Mさんがこれから行くオーストラリアへの修学旅行がうらやましいです。現地の学校との交流や、オーストラリアの文化を体験できる約1週間の旅ですので期待大です。
1年後が楽しみですね。ありがとうございます。それでは最後に、今現在学習面で頑張っていること、目標を教えてください。
S.M 英検1級取得に向け頑張っています!
K.T 英語力のみならず幅広い知識や視野を身に着けるため、日々の授業や課題に真剣に取り組んでいます!
素晴らしい。お二人とも益々頑張ってください!それでは本日の取材は終了いたします。ありがとうございました。